米EMCは2010年7月、データウェアハウジング(DWH)企業のGreenplum(グリーンプラム)を買収した。この買収はOracleのSun買収やSAPのSybase買収などに比べると、それほど派手に報道されることはなかったが、EMCもまたDWHアプライアンスメーカーへの参入の意志を示したとして、アナリストや関係者の間では少なからず話題を呼んだ。今回は、去る5月26日に東京・六本木で開催されたアイ・ティ・アール主催のイベント「ビッグデータとビジネスの融合」におけるEMCのセッションをもとに"ビッグデータ時代"におけるGreenplumの可能性を探ってみたい。
DWHもオープンアーキテクチャで行う時代
Greenplumの主力製品であるGreenplum Databaseはもともと、オープンソースデータベースのPostgreSQLを拡張したシステムである。主な特徴としては「大規模並列処理(MPP)」「オープンアーキテクチャ」「拡張性」の3つが挙げられる。

「科学計算で行うような大規模なデータ処理をパラレルで実行するデータベースソフトウェアがGreenplum。ここで重要なポイントはコモデティなハードウェアだけを使うという点。特殊なハードに依存するのではなく、オープンなアーキテクチャで動作する、これが最大の持ち味」と説明するのは、EMCジャパン データ・コンピューティング事業本部 テクノロジー&プロフェッショナルサービス部 部長 仲田聰氏。
現在、"ビッグデータ"という言葉がちょっとしたバズワードになっている。5年前、10年前と比べると、企業は言うにおよばず、一個人が扱うデータ量も爆発的に増大し、その傾向はますます強まる方向にある。こうした流れから必然的に、これまで大企業の専売特許のような存在だったデータウェアハウジングが、中堅中小企業の間でもにわかに注目を浴び始めるようになった。だがやはりDWHはまだ"高価"なイメージがつきまとう。
仲田氏は「Greenplumは数億円単位だったDWHのスモールスタートを可能にするソリューション。ペタバイト級のデータを扱えるまでに拡張させることもできる。タテにスケールするのではなくヨコにスケールする、スケールアウト型のアプローチを取っている」と、そのコストパフォーマンスの高さと拡張性を強調する。
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五味明子(ゴミ アキコ)
IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。
Twitter(@g3akk)や自身のブログでITニュース...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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