パブリッククラウド
クラウドも大規模なものから中小企業向けまで、様々なサービスが提供されている。その中でも、個人ユーザーの人気が高い2つのサービスを紹介しよう。1つはDropbox、もう1つはEvernoteだ。
Dropboxは、クラウドのファイルサーバだと考えればいい。企業内に置かれるファイルサーバとの違いは、自分のパソコンと同期できるところだ。さらにスマートフォン向けのアプリケーションが提供されており、オンライン上にあるファイルに簡単にアクセスできるようになっている。
iPhone、iPadやAndroidから、ExcelやPowerPointのファイルを参照すると、画像ファイルとして閲覧することができる。さらに、PDFリーダーに取り込むこともできるし、Document to Goなどのオフィス編集アプリに取り込み、修正や加工も可能だ。2GBまで無料で利用できるというのも大きい。外からでもアクセスする必要のあるファイルだけ置いておく分には、2GBもあれば十分という人が多いのではないだろうか。
そして、もう1つのサービスがEvernoteだ。Dropbox同様に有名なので、使っていなくても聞いたことくらいはあるのではないだろうか。象のロゴのあれだ。
Evernoteは、基本はメモ書きをクラウド上に置くサービスなのだが、文字だけでなく写真、音声も置いておくことができる。さらに、それぞれのデータに、タグを付けておくことで、あとで探しやすいのが特徴だ。その一番の活用例が、名刺をスキャンしてEvernoteに置いておくという使い方だ。名刺は一枚一枚スキャナーでスキャンして画像ファイルにしておく。その名刺をEvernote上に置く場合に、例えば「朝日商事」の「田中一郎さん」だとすると、ア行だから「あ」というタグを付け、さらに「朝日商事」というタグ。さらには「た」や「田中」というタグまで付けておくと、社名を忘れてしまっても「た」や「田中」で探すことができるし、その逆に担当者を忘れた場合にも「あ」や「朝日商事」で探せば見つかるのだ。
このように、全てのデータにタグ付けしておくことで、ファイリングがとても簡単になる。また、紙のノートで絶対できないことは、動画や音声ファイルまで保存することが可能ということだ。もちろん、ホワイトボードの写真を撮影し、Evernoteにタグ付けして置いておけば、簡単に会議メモができあがる。そのままEvernoteからメールを送ることも可能だから、共有もラクにできる。こんな便利なサービスを使い始めるたら、もう手放せなくなるだろう。