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ソーシャルメディアは世界を変える。Salesforce.comが描くこれからのビジネスとソーシャルの世界


Salesforce.comの年次イベント、Dreamforce 2012がサンフランシスコのモスコーンコンベンションセンターで開幕した。今回のイベントの事前登録者は90,000人を超えたとか。実際、会場周辺には、イベントの青い参加証を首から提げ、おそろいのグレーの鞄を肩からかけた人たちで溢れかえっている。初日の朝一番のCEO マーク・ベニオフ氏のキーノートは、開演の1時間以上前から長蛇の列ができ、30分前にはもう席が確保できない状況になった。年々規模が拡大しているのは知っていたが、今回はかなりの成長のようだ。参加者からも「今年のDreamforceは桁違いの勢いです」との声が聞こえる。

「コネクション」するのは、顧客だけではない

おなじみ、マーク・ベニオフ氏
おなじみ、マーク・ベニオフ氏

 M.C.ハマーのど派手なオープニングで幕を開けたキーノートのステージに、CEOのマーク・ベニオフ氏が登壇。最初に「ソーシャルメディアは、世界を大きく変える技術だ」と宣言。そのソーシャルメディアを安価に使いやすい形で活用できるようにするための、さまざまなソリューションを紹介する。

 「クラウドとソーシャル、そしてモバイルで新しい世界ができつつあり、その中では顧客が新しい形でコネクションすることが重要。このコアとなる部分に改めて注力するのが、Dreamforceの目的だ」(ベニオフ氏)

 「コネクション」するのは、顧客だけではない。さらにはパートナー、社員、そしてサービスや製品についても「つながり」を持つことになる。そしてこのさまざまな「つながり」により、ビジネスのやり方自体を変えることになる。

 「根本的にいろいろなものが変わるので、自分たち自身も変わらなければならない」とベニオフ氏。Salesforce.comでは、これまでは顧客の成功こそが大事だと考えてきた。今後はそれだけではダメで、自分たちが顧客から信頼を得なければならない。そのためには情報をオープンにし、ソーシャル的なさまざまなツールを使って新しい形で「つながる」必要がある。新しい形でつながることで得られる「信頼」が、今後の重要なキーワードとなる。

 実際に、顧客だけでなく製品もつながりを持った事例として紹介されたのが、General Electricだ。General Electricでは、「GEシェア」という大きなビジョンをかかげており、あらゆるものがつながりを持つようにする取り組みを行っている。その中でも同社の製造する製品の周りでシェアを行う。たとえば、General Electricが作っている飛行機のエンジンがソーシャルにつながる。エンジン自体が、エンジンの状況をChatterにつぶやき、それを航空会社のエンジニアとGeneral Electricのエンジニアが同時に共有できる。

 「飛行機のエンジンがソーシャルにつながるのは、すごいこと。これこそがDreamforceです」(ベニオフ氏)

 また、スキー用品メーカーとして知られているロシニョールの事例では、B to Bの世界の新しいつながりを実現するSales Cloudが紹介された。

 今回新たに発表されたChatter Communities for Partnersによりリセラーとのつながりを持ち、その先にいる消費者とのつながりではData.com Social Keyを活用している。

 かつては、仮にTwitterで自社製品についてつぶやかれたとしても、それが誰のつぶやきなのかは分からなかった。それがData.com Social Keyを使うことで、身元を明らかにできるようになるという。

 リセラーとの新たな取引のやりとりも、社内の社員とすぐに共有できる。そして、これらのアプリケーションすべてが、スマートフォンやiPadなどの携帯端末で使えることも重要な要素だ。このさまざまな端末でSalesforce.comのアプリケーションを使えるようにするのが、今回新たに発表したSalesforce Touchだ。HTML5ベースであらゆるデバイスに対応し、「過去に作ったSalesforceのアプリケーション資産も無駄にしない」。

 今回のDreamforceで利用されている参加者への情報提供アプリケーションも、このSalesforce Touchで作られている。このアプリケーションについては、AppExchangeでの提供を行い、ソースコードも公開してフレームワークとして利用できるようにするとのこと。また、モバイルアプリケーション開発のためのデベロッパーガイドの提供も行う。

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ソーシャルマーケティングで新たな扉を開け

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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