参考資料
インストールについて、以下の資料も合わせてご確認ください。
http://www.oracle.com/technetwork/jp/database/oraclerac-install-guide-1504202-ja.pdf
1.VMwareインストール
ユーザー登録をすれば無償で使用することができるVMware Server2.0を使用しました。
※VMware Serverは2.0から管理ツールがWebインターフェースになりましたが、Firefoxでは対応していない バージョンがあるため、今回はInternet Explorerを使用しました。
2.ゲストOS作成~インストール
・ディスクサイズ
ローカルディスクは、Gridホームに6.5GBの領域、Oracleベースに4.6GBのディスク領域、合計で約11GBの領域が必要となります。OS領域やインストールメディアを配置する領域も考慮し、30GBの領域を確保しました。
・メモリ
メモリは2GB以上が必須となりますが、今回はホストOSのメモリが4GBしかないため両ノード共1.5GBに設定しました。
・スワップ
メモリが2GBから8GBの場合、同等のスワップサイズが必須となります。今回はメモリよりやや多めの2GBを割り当てました。
・ネットワーク
パブリックLAN、プライベートLAN用にNICを2つ用意します。今回はパブリックLAN用にBridgeをプライベートLAN用にHost-onlyを使用し、共に固定IPを設定しました。
3.VMware Toolsインストール
VMware Toolsのインストールは必須ではありませんが、マウスのパフォーマンスの向上や、ホストOSとゲストOS間でテキストやファイルのコピーアンドペーストが可能になるなど、仮想環境が使い易くなりますので、インストールすることをお勧めします。
VMware Toolsはパッケージマウント後、以下の手順を実施しインストールします。
1.VMwareTools-7.7.5-156745.i386.rpmのインストール
2./usr/bin/vmware-config-tools.plの実行
/usr/bin/vmware-config-tools.plを実行するには、uname -mrの結果と同じバージョンのkernel-uek-develを予めインストールしておく必要があります。
一時的にネットワークが切断されるため、SSH クライアントでリモート接続せず、ローカルのコンソールから実行してください。
4.ゲストOS設定
ユーザの作成や、カーネルパラメータの設定など、共有ディスク以外のインストール前の準備を実施します。
※OSコピーの前に設定を実施しておくと、コピーしたOSに設定内容が全て引き継がれるので、この後の手間を省くことができます。
・ネットワーク設定
ゲストOS設定では特にネットワークの設定に注意が必要です。以下に詳細を記載します。
RAC環境では用意するNICは2つですが、以下4種類のIPアドレスが必要となります。
・パブリックIPアドレス
・仮想IPアドレス(VIP)
・SCAN IPアドレス(SCAN VIP)
・プライベートIPアドレス
※VIPアドレス、SCAN IPアドレスについてはGrid Infrastructureインストール時に構成されますので、事前の構成は不要です。
SCAN IPアドレスは11gR2の新機能です。詳細については、今後の回でご説明させていただきます。IPアドレスはインストール前にDNSやhostsファイルで名前解決されていることが必須となります。
以下の点について注意し、設定を実施してください。
・パブリックIPアドレス、仮想IPアドレス、SCAN IPアドレスは同一セグメント上に、プライベートIPアドレスは別 セグメントに設定すること
・SCAN IPアドレスはRAC環境で1つ、その他は各ノードで1つずつIPアドレスを設定すること
・SCAN名にアンダースコア("_")を使用しないこと
今回はhostsファイルを使用し、以下の内容を記載しました。
5.ゲストOSコピー
・ゲストOS(COSOL01)コピー
ゲストOSの設定が完了したら、ゲストOSを停止し、仮想環境をフォルダごとコピーします。
・コピーしたゲストOS(COSOL02)の設定ファイルを変更
ゲストOSコピー後、以下の手順を実施します。
1.フォルダ、ファイル名の変更
コピーしたフォルダ名を"COSOL02"に変更します。
また、"COSOL2"フォルダ配下にあるファイルで"COSOL01"が含まれているファイル名を全て"COSOL2"に変更します。
2.vmxファイルの編集
vmxファイルをテキストエディタで開き、以下の記載を編集します。
3.vmxfファイルの編集
vmxfファイルをテキストエディタで開き、以下の記載を編集します。
4.vmdkファイルの編集
vmdkファイルをテキストエディタで開き、以下の記載を編集します。
・VMwareへの追加登録
コピーしたゲストOSをVMwareに追加登録します。
・仮想マシン上のNICを変更
MACアドレスの競合を防ぐため、コピーしたゲストOSのNICを削除、追加し、NICを付け替えます。
・共有ディスクの追加
1.COSOL01でディスクを追加作成
共有ディスクはゲストOSとは別のフォルダに作成します。本環境ではゲストOSのフォルダと同じ階層の別フォルダに作成しました。
2.COSOL02でディスクを追加
COSOL01で作成した共有ディスクをCOSOL02で追加します。
3.vmxファイルの編集
不要なファイルキャッシングの機能や、ロックの機能を無効にするために各ゲストOSのvmxファイルをテキストエディタで開き、最終行に以下を追記します。
6.OSコピー後の設定
・ゲストOSの起動
各ゲストOSを起動します。コピーしたゲストOS(COSOL02)については、初回起動時に以下メッセージが出力されますのでI_copied を選択してください。
・COSOL02の設定変更
OSが起動したら、COSOL02で以下の手順を実施してください。
1.ホスト名の変更
2.IPアドレスの変更
3.環境変数の変更
gridユーザ、oracleユーザで、SIDなど、ノードにより異なる環境変数を設定してください。
・両ノードでの設定変更
両ノードで以下の手順を実施してください。
1.共有ディスクの設定
fdiskコマンドでパーティションの作成をするなど、共有ディスクの設定を実施してください。
2.cvuqdiskパッケージのインストール
インストール・メディアのrpmディレクトリにある、cvuqdiskパッケージをインストールしてください。
3.時刻同期設定
Oracle Clusterwareでは、全てのクラスタ・ノードで同じタイムゾーン設定が必要となります。時刻を同期させる方法は2つあります。
-ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)
-Oracleクラスタ時刻同期化サービス(ctssd)
今回はOracleクラスタ時刻同期化サービスを使用することにしました。このサービスを有効にするために、Grid Infrastructureインストール前に以下手順を実施し、NTPの構成を無効化してください。
7.Grid Infrastructureインストール
・前提条件チェックのエラー
OSの設定が正しい場合でも、インストール前の前提条件を満たしていないと判断されることがあります。 詳細について、以下に記載します。
-物理メモリー
必須要件を満たしていないためステータスが警告となりますが、このまま進めて問題ありません。
-タスクresolv.confの整合性
SCANホスト名がDNSではなくhostsファイルのみで名前解決されている場合、resolv.confが失敗します。 SCANホスト名が正しく設定されていることが確認できれば、このまま進めて問題ありません。
・シェルの実行
Oracle Databaseを導入する際、OUIの最後にorainstRoot.sh、root.shを実行しますが、同様のものがGrid Infrastructureにも存在します。RACの場合は全ノードで実行する必要があります。必ず1ノードずつ順番に実行してください。
・インストール時のエラー
Oracle Cluster Verificationユーティリティで以下エラーが発生しますが、SCANホスト名をhostsファイルで名前解決した場合に発生するエラーとなります。本エラーは無視可能ですのでこのままインストールを進めて問題ありません。
8.Oracle Databaseインストール
・前提条件チェックのエラー
-タスクresolv.confの整合性
Grid Infrastructureインストール時と同様です。
-単一クライアント・アクセス名(SCAN)
PRVG-1101のエラーが発生し、ステータスが警告となります。 このチェックについても、SCANホスト名がDNSではなくhostsファイルのみで名前解決されている場合に発生するものです。このまま進めて問題ありません。
9.データベース作成
・データベース作成
データベースの作成はシングルの場合と大きな違いはありません。以下の点に注意し、作成してください。
-オンラインREDOログのグループ、UNDO表領域はインスタンス単位で割り当てる必要がある
-記憶域のタイプに自動ストレージ管理(ASM)を選択する
・DB作成後の確認
gridユーザで以下コマンドを実行し、gsd以外のステータスがonlineになっていれば、RACの構築は完了です!!
第一回目は以上となります。RACに触れる機会がなかった人は、是非この機会に構築し、触ってみてください。