前回はDWH系処理に汎用DBMSを利用する課題について検討しました。第2回目となる今回は、DWH系処理に適した列指向DBMSの優位性について、「InfiniDB」の紹介をとおして解説します。
DWHで使用するDBMSの選択肢
前回ご紹介のとおり、汎用DBMSは使い慣れている利点がある一方で、DWH系処理ではチューニング・コストが大きくなるという課題があります。これらの課題を高性能なハードウェアと専用ソフトウェアの組み合わせで解決したのがDWH専用アプライアンスですが、導入コストによって採用を見送るケースも少なくありません。近年、大規模なデータを高速かつ高い頻度で分析するニーズは広がりをみせており、それに応えるべく登場したのが、今回ご紹介する「InfiniDB」などのDWH専用ソフトウェアです。
今回ご紹介する「InfiniDB」は、データをロードするだけで、ユーザが期待するパフォーマンスを実現可能なアーキテクチャが採用されています。そのため、索引を用いたSQLチューニングや、表の各列が保持するデータに合わせて最適な索引を選ぶ作業、索引をメンテナンスする時間も必要ありません。その結果、開発/運用担当者だけでなく、DWHを利用するエンドユーザのストレスを大幅に軽減することができます。
それでは、手間と時間とコストを省き、高いパフォーマンスを発揮する「InfiniDB」とは一体どのようなDBMSなのか、その特長についてご紹介します。
「InfiniDB」の3つの特長
「InfiniDB」には、次の3つの特長があります。

Fast(高速)
「InfiniDB」は、データ抽出にかかるディスクI/Oを最小レベルに絞り込み、さらに与えられたマシン・リソースを限界まで使い切ることで、非常に高いパフォーマンスを提供します。

Simple(簡単)
「InfiniDB」は、索引などによるパフォーマンス・チューニングを必要としません。パフォーマンス要件を満たすための高度で複雑なデータベース設計や、システム維持にかかるコストを大幅に削減します。

Scalable(拡張可能)
拡張性は製品選定における重要な要素の1つです。「InfiniDB」はスモールスタートにより、初期投資のリスクを軽減し、システムの用途拡大に合わせ、柔軟で拡張性の高い選択肢を提供します。
それでは、なぜシンプルなのに高速に検索処理が行えるのか、列指向の特長などにも触れながら解説します。
この記事は参考になりましたか?
- DWH系処理に汎用DBMSを利用する課題連載記事一覧
-
- InfiniDBの実力や如何に?検証結果を一挙公開!
- DWH系処理に適した列指向DBMSの優位性
- 行ベースの汎用DBMSをDWH系処理で利用する課題
- この記事の著者
-
岸和田 隆(キシワダ タカシ)
株式会社アシスト データベース技術本部 データベース・エバンジェリストアシスト入社後、Oracle Database の研修講師、フィールド・ サポート、新バージョンの検証を経て、2007年 自社ブランド 「DODAI」の準アプライアンス製品の企画・開発、2009年 PostgreSQL、2011年...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
関 俊洋(セキ トシヒロ)
株式会社アシスト データベース技術本部 データベース・エバンジェリストデータベース・システムの構築や運用トラブルの解決といったフィールド・サポート業務を経験し、その後は新製品の検証やソリューションの立ち上げに従事。現在はデータベースの価値や魅力を伝えるための執筆や講演活動を行っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア