今後数年で約半数の企業が社内SNSを導入予定
FacebookやTwitterの普及と活用する企業の増加に伴って、社内SNSの導入を検討する企業が増えています。先日発表されたIDC Japanによる調査結果によると、「今後数年で48%の企業が社内SNSの利用を開始する」(図1)といいます。その対象企業は従業員数が10人以上で、拠点が多く、顔の見えにくい大企業だけの話ではなく、中小企業も含まれます。
社内SNSの導入は今に始まったことではなく、mixiやGREEが流行した6年ほど前に、社内ブログも含め導入する企業が増えました。しかしながら多くの企業が失敗に終わっています。それでもIDCでは、社内SNSの市場はこれから年率40%以上の成長率、5年で10倍以上の市場になると予想しています。また、海外においては、米国の調査会社Forrester Researchが、2016年には64億ドルの市場へと急成長するという発表もしています。
当社では、社内SNSの「エアリー」というサービスを、内定者フォローSNS、新人育成SNS、ダイバーシティ推進支援SNSなど、様々な目的を特化したかたちで提供し、現在500社以上にご利用いただいています。私自身そのプロジェクトの中で、様々な失敗も成功も数多く経験してきました。本連載では、私自身の経験から社内SNS導入の「失敗」に焦点を当てつつ、今後導入する企業にとってヒントとなる考え方やポイント、事例などをご紹介していきます。
そして現在、私には一つの仮説があります。それは、「今後すべての会社で社内SNSが導入されることになる。ただし、導入の目的が明確でないとうまく定着しない」ということです。
実際IDCの調査では、社内SNSを導入しない企業の70%近くが「利用目的が不明確」を理由として挙げています。自営業や数人の会社は除いたとしても、企業がホームページを持つことやEメールを利用することが当たり前になったように、今以上に社内SNSは進化し、利用しているのが当たり前の時代がやってくると思います。そのきっかけが、ソーシャル、モバイル、クラウドによる新しいITの潮流と、Eメールの役割が今の時代からずれてきていることにあると考えています。