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Database ApplianceはよりシンプルにExadataはよりパワフルに―アンディ・メンデルソン氏インタビュー

現状、IT業界の大きなブームの1つが、アプライアンスだ。このきっかけは、OracleがExadataを市場投入したことであることは間違いないだろう。それまでもアプライアンスと呼ばれる製品はいくつもあったが、あのソフトウェアベンダーのOracleがハードウェアを出す。さらに彼らは、それを単なるアプライアンスとは呼ばずに、エンジニアードシステムと呼んだのも新鮮だった。そのOracle Exadataを含む、データベース関連製品の技術責任者であるアンディ・メンデルソン氏に、同社のエンジニアードシステムの現状と、今後の動向について先日話を訊く機会があった。

Database Applianceについて

アンディ・メンデルソン氏
アンディ・メンデルソン氏

 ―日本では、昨年発表した1/8ラックのOracle Exadata x3-2への引き合いの話をよく耳にします。ここ最近のExadataやDatabase Applianceの市場での動きは?

 アンディ:Oracle Exadataは1/8からフルラックまで、さらにローエンド向けにはDatabase ApplianceとOracleは、フルレンジで市場をカバーしています。とくにどのレンジが主流ということはありません。とはいえ、価格が安いので、結果的にはExadataのx3-2がよりたくさん市場に出ています。ハイバリューのものが手頃な価格になったので、まだ提供開始から1年めですがかなりたくさん売れています。Oracle Exadataの用途としては、超大型データウェアハウス、超大型OLTP、さらにはプライベートクラウド、Database as a Serviceといったところで使われています。

―最小構成のExadata x3-2とDatabase Applianceの棲み分けはどのようになっていますか?

 アンディ:Database Applianceにおいて強調したいのは、シンプルさ、簡単さです。それでいて、Exadataほどではありませんが、十分に素晴らしい性能を持っています。対してExadataは、処理をストレージにオフロードするといった独自技術も搭載され、とにかく高性能を求めるユーザー向けです。そしてもう1つの違いは、拡張性でしょう。Database Applianceは、2コアのシングルノードから、2ノードで32コアまでとなっています。Exadataは、理論上は無限に拡張できます。

ライバルについて

 ―ライバルであるIBMも垂直統合モデルのPure Data Systemの提供を開始しています。OracleはPure Dataをどう捉えていますか?

 アンディ:OracleのExadataは垂直統合だというだけでなく、エンジニアードシステムです。とくにPure Dataと異なるのはストレージサーバーのところだと思っています。Oracle Exadataには3つのキーテクノロジーがあります。1つがハイブリッドカラムナーコンプレッション。従来の10倍以上の圧縮率を実現していて、スキャニングも極めて高速です。2つめがフラッシュキャッシュの技術です。Heuristic Hierarchical Mass Memoryという機能を使うことで、ストレージへの物理IOを大きく減らすことができます。そして3つめが、ストレージサーバーでのSQLオフロードの技術です。これにより、ストレージサーバーでの超並列処理を実現しています。これらのOracle独自の技術については、他のやり方ではそうそう追いつけるものではないと考えています。

 IBMの場合は、現状では垂直統合を行っただけだと思います。モデルもOLTP用、Analytics用など複数あり、複雑です。顧客はどれを選んでいいのか迷うことでしょう。Analyticsなどは、Netezzaの名前を変えただけですし。OracleはExadataだけでシンプルです。IBMが複数の用途向けに出しているものよりも、Exadata1つだけでより素晴らしいものを用意しています。なので、プライベートクラウドにもOLTPにも、データウェアハウスにも、Exadataはすでにたくさん利用されています。IBMのPure Dataを使って、どうやってプライベートクラウドを構築するのでしょうか。

 ―それでは、最近になって、SAPのERP用データベースとしても利用できるようになったSAP HANAについてはどう捉えていますか?

 アンディ:Exadataは、すでにERPアプリケーションの高性能なデータベースとして、数多くの運用実績があります。OLTP用として、性能も信頼性もかなり高いものがあります。SAP HANAについては、まだほんの少数の顧客しか運用していないでしょう。それもSAP BWの数社しかないのではないでしょうか。HANAのカラムナー技術は、アナリティクスにはいいかもしれませんがOLTPには向いていないと考えています。OLTPで使ってもらうことを目指しているようですが、まだしばらくはそれが実現するとは思えません。

Software on Chipについて

 ―ソフトウェアとハードウェアの融合という面では、昨年のOracle OpenWorldで発表されたSoftware on Chipもあるかと思います。これについては、現状はどのようになっていますか?

 アンディ:先日、CEOのラリーが発表したSPARC T5というCPUがあります。ラリー曰く、これは世界最速だと。このT5のチップの上で、データベースに必要な処理やJavaの処理を実行しています。今後、ラリーが言うように最速であることを維持するためにも、Software on Chipの技術でさらに処理をチップに載せていくことになると考えています。

 ―自社のチップに独自の機能を追加してしまうと、Oracleの重要な方向性であるオープンであることを阻害しませんか?

 アンディ:Oracleは、常にオープンであるので、インテルとも積極的に協業しています。彼らのチップの上でも、処理性能が最適化するようにしています。これは富士通とも同様です。彼らの開発するSPARCの上でも、最適化するように協業しています。次世代においては、チップは重要な役割を果たします。チップに機能を載せているとはいえ、Oracleのソフトウェア製品自体はチップには依存しません。そして、このように協業しているチップベンダーは複数あります。顧客はそれらの中から、最速なもの、最適なものを自由に選ぶことができます。

 ―世界最速のSPARC T5というCPUを提供することになったのだから、それを活用するDatabase Applianceは登場しないのでしょうか?

 アンディ:現時点では、そういった計画はありません。とはいえ、顧客からの要望があれば検討するかもしれません。

 ―では同様に、Oracle DatabaseではなくMySQLを使ったアプライアンスといったものも計画にはありませんか?

 アンディ:これも、市場が望めば検討するかもしれませんが、いまは考えていません。MySQLの特長はシンプルであることです。MySQLの場合には、アプライアンスがいらないくらいにシンプルなのです。そしてまたMySQLは、ローエンドのサーバーで動くものです。対して現状のDatabase Applianceには高可用性などが求められており、MySQLの市場とは少し異なります。MySQLは十分にシンプルなので、現時点ではアプライアンスにする必要はないと考えています。

 ―Oracle Big Data Applianceのx3-2という最小構成も発表されました。とはいえ、アプライアンスの中で、10ノードや20ノードなどの少ない分散サーバーでHadoopを利用するメリットはあるのでしょうか?

 アンディ:Oracle Big Data Applianceは、Oracleのエンジニアードシステムです。その上でHadoopを動かすことに意義があると考えています。Hadoopクラスターを簡単に、かつ極めて高速に動かせる。現状では、それほど多ノード分散で利用されているHadoopはそれほどたくさんないので、顧客はBig Data Applianceに入ってきやすいと考えています。もう1つのメリットとしては、Big Data ApplianceではInfiniBandを利用していることです。これにより、ExadataやExalogicと極めて高速に連携できます。この構成をとれるメリットを理解している人が、まだ少ないかもしれません。この構成で、Big Data Applianceを活用してバッチ処理などを極めて高速にできる可能性があります。Exadataとの相互運用をすることで、Big Data Applianceの価値がさらに高まると言えるでしょう。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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