設計部門と品質保証部門の仲は良好ですか?
と、こうして見ていくと、何だか細かい小言ばかり言う品質保証部門に、設計部門がいじめられてる構図に見えなくもない……とここで、設計部門の板谷さんが一言。
「まあ設計部門から見ると、ぶっちゃけ面倒なこともありますね(真顔)」
ちょ、ちょっと! ぶっちゃけ過ぎ! まあ、これはもちろん、あくまでも板谷さんなりのキツイ冗談なのだが。でも実際のところ、こういう仕事の進め方だと、設計部門と保証部門でやり合う場面って結構あるのでは……と恐る恐る、梯さんに聞いてみる。
「そこはお互い、責任分担がはっきりしていますから。社内で品質責任を持つのは設計部門なので、われわれ品質保証部門はその責任をきっちり問いますが、社外に対しては一転して、品質保証部門がすべての責任を持つんです。お客さまの前では、品質保証部門が『この製品は私の責任です』と言って対応します。なので、自然とお互いの立場を尊重し合いながら、信頼関係を築けています。私の知る限りでは日立は、品質保証部門が設計部門からもっとも信頼されているベンダーの一つだと思いますね」
なるほど。確かに、一方だけが品質責任を負うんじゃあ、割に合わないもんね。とここで、板谷さんが設計部門の立場から一言。
「プロジェクトとの初期段階から品質保証部門と連携しているので、設計部門としては後工程になってから『今ごろ指摘するなよ!』とは言えないんですよね。『あのとき言っただろう!』と品質保証部門に言われたら、こっちはもうぐうの音も出ない(笑)」
これを受けて、梯さんも、
「品質保証部門は対外的に矢面に立つ分、社内では必死ですよ! 『こんなもの出されちゃ、たまんないよ!』と(笑)」
なんか、こういうやり取りを聞いてると、お互いに仕事上の緊張関係は保ちつつも、なんだかんだ言ってめちゃ仲いいみたいだ。