「T&E」というソリューション分野をご存じだろうか? 「T」は「Travel」、「E」は「Expense」の略で、日本語に訳せば「出張」と「経費」にまつわるソリューションという意味になる。もう少し具体的に言えば、出張経費や日々の交通費、接待費などの申請・承認・精算作業をシステム化することで、業務効率の向上、ガバナンスの強化、費用の可視化を通じたコスト適正化を図ろうというものだ。
今まさにブレイク前夜の「T&E」ソリューション

三村真宗氏
読者の中にも、日々の経費申請の作業をとても面倒に感じていたり、あるいは管理職の方であれば経費の承認作業に日々追われて煩わしい思いをされている方も多いことだろう。
また経理部門で働く方であれば、経費申請の内容を1つ1つチェックしたり、あるいは申請を差し戻すことで起こる現場とのゴタゴタに嫌気をさしている方もいるはずだ。また経営層にしてみれば、無駄な経費はなるべく削ぎ落として、企業全体の収益を少しでも改善したいと考えているはず。
このように、経費にまつわるもろもろの業務や作業は、従業員の生産性や企業全体の収益に少なからぬ影響を及ぼすにもかかわらず、これまでITの導入による本格的な自動化や省力化、可視化が行われてこなかったのも事実。いまだに紙の書類が使われていたり、あるいはシステム化されていたとしてもごく一部に留まっているのが多くの企業での現状ではないだろうか。
ここにメスを入れ、経費や出張にかかわるあらゆる業務を一気通貫でカバーするITソリューションとして登場したのがT&Eだ。まだ日本ではあまりなじみのないソリューションだが、米国では今まさにT&Eの市場が本格的に立ち上がりつつあり、その中でもリーディングベンダーとして先頭に立って市場を切り拓いているのが米コンカー社だ。1993年に創業し、当初はパッケージ型の経費精算システムを提供していた同社だが、2000年以降は出張も含めたT&Eのトータルソリューションをクラウドサービスとして展開し、現在急速にユーザー数を伸ばし続けている。
2011年には日本法人「株式会社コンカー」も設立、既に富士ソフトやエイボンなど国内大手企業250社以上が同社のT&Eサービスを導入している。同社 代表取締役社長の三村真宗氏は、「まだ名前は明かせないが、現在多くの大手企業で導入案件が進行している。2014年にこれらの案件が実を結んだ暁には、日本国内でもT&E市場が本格的に立ち上がると見ている。まさに『T&Eブレイク前夜』だ」と述べ、日本におけるT&Eソリューションと同社サービスの普及に自信を見せる。
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吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)
早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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