2010年5月、SAPによるSybaseの買収が正式に発表された。SAPのERPで利用されているデータベースの多くがOracle Databaseで動いており、その関係性から脱却するためにSybaseのリレーショナル・データベースAdaptive Serverを手に入れたかった、というのが目的だと言われた。とはいえ、買収後、SAP ERPのデータベースがOracleからAdaptive Serverに移行したという話は、あまり耳にしない。さらに、この後から一気にSAPが注力するインメモリデータベースの「SAP HANA」。これの登場は、同年12月だ。このときのHANAは、分析、検索用途の高速データベースであり、ERPのOLTPデータを格納するものではなかった。しかしながら、HANAの開発コンセプトを考えれば、当初からいずれはERPのデータベースをHANAに置き換える構想はあったはず。そうなると、なぜSAPはSybaseを欲したのか。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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