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Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

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『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦

インターネットの重力にあらゆる産業の顧客が奪われて行く時代に、企業が勝ち残るための新たなルールとIT基盤とは?(前編)


変化した「勝つための」ルール

 これらの「4+1の力」と「融合する世界」が誕生したことによって、今までの「リアルの世界」で「勝ち残るためのルール」が大きく変化しています。これから新規事業を考えるにあたって、理解しておくべきいくつかのルールを紹介します。

インターネットの重力にあらゆる物が引き寄せられる

 スマートデバイスの普及の余地を疑う必要は既にありません。生活者たちは何時でも、どこでも情報に接触することが可能になり、常にお知らせや友人からのイベントのお誘いといった誘惑に駆られています。これによって生活者の情報接触経路や購買行動は大きく変化しています。生活者に近い企業(小売業、飲食業、サービス業等)や、商品がデジタル化しやすい企業(コンテンツホルダー、メディア等)や、部署(マーケティング部門、広報部、企画等)は、移り気な生活者の動向をいちはやくキャッチし、それに応える施策を迅速に展開する必要性が求められています。

図:生活者に近い企業から変化が始まる

すべてが繋がる社会

 スマートデバイスによって生活者は常にインターネットと繋がるようになり、ソーシャルメディアによって人や価値観が繋がることができるようになり、モノのインターネットによって人と機械、機械と機械が繋がろうとしています。繋がることが当たり前の時代。製品やサービスの利用者が多ければ多いほど、その価値が増す「ネットワーク効果」を意識したビジネスモデルの構築が求められます。

デジタル・アドボカシ (支持獲得)

 生活者はあらゆるチャネルから企業ブランドに接触します。新聞、電車の広告、口コミ、検索、Twitter、Facebook、自社サイト。生活者へのアプローチを従来のマスメディア中心のアプローチから、分散するソーシャルメディア上のチャネル、スマートデバイスのアプリを利用したクーポンの配布といった複数のチャネルへの対応が求められています。

 多様化するマルチチャネルに対応するために、自社だけですべてを解決しようとするのではなく、オンライン上の支持者を見つけるべきです。それも、できればターゲットとなる市場でインフルエンサーと呼ばれる、他者に対する影響力の高い支持者の獲得をすべきです。ある国内の企業ではソーシャルメディア上のインフルエンサーを定期的に社内へ講師として招待し、知見を吸収すると共に、インフルエンサーを味方につけています。

 オラクルやIBMといった外資系の大手メーカーは自社の新製品発表の時に、従来のマスメディアだけでなく、強い影響力を持ったブロガーも同席させています。ブロガーはマスメディアと比較すればリーチ力は劣りますが、検索エンジンで検索しているユーザーにはブロガーの記事が読まれることも多くなります。能動的に辿り着いた先で接触するブロガーの記事は印象を左右します。認知を獲得するためのマス媒体、ブランドイメージ形成をサポートするソーシャルメディアなど、媒体の長所を生かした、生活者とのチャネルデザインの再構築が求められています。

変化を誘発させることに成功したものが生き残る

 「この世に生き抜くことができる生物は、最も力の強いものでも、最も頭の良いものでもなく、変化に対応できる生き物だ」

 進化論の著者、ダーウィンの有名なこの言葉は企業経営においても頻繁に用いられます。しかし、ダーウィンの見た生物の進化とは自然界の変化に順応するための進化論でした。しかし、今私たちは自然ではなく、ITの巻き起こす環境変化に適応することを求められています。

 もし、私が現在の進化論を書き上げるならこう書くでしょう。「変化に対応した者が生き残ったのではない、変化を誘発した者が生き残ったのだ」と。

 自然界の変化と異なり、現代の変化は偶然起きるのではなく、誰かの手によって導かれます。その変化を誘発する者は、自分が優位に立てるように綿密な計画を立て実行します。ですから、誰かが変化に気づいた時点で、もう勝者は決まっているのです。

次のページ
企業が考えるべき「4+1の力」を活用するためのIT基盤

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ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦連載記事一覧
この記事の著者

大元 隆志(おおもと たかし)

ITビジネスアナリスト/顧客視点アドバイザー 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を12年経験。異なるレイヤーの経験を活かし、 技術者、経営層、顧客の3つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。講談社 現代ビジネス、翔泳社EnterpriseZine、ITmediaマーケティング等IT系メディアで多くの記事を執筆。所有資格:米国PMI認定 PMP、MCPC認定シニアモバイルシステムコンサル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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