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Oracle Database 12c メッタ斬り!

最終回!―オラクルはどこへゆく?

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データベースのライフサイクルマネジメント

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 谷川:今のオラクルのエンジニアドシステムというのは「最初の一歩」くらいの段階で、サン・マイクロシステムズとの統合の効果はこれからさらに出てくるような気がしています。もっと速くなる余地があるのではと。

 渡邉:ロードマップ上では、次はチップが変わるとか。

 石川:インメモリデータベースが主流になれば、メモリアクセスの早さは重要になります。そこにPDBなどマルチテナントアーキテクチャを組み合わせていくといいのかなと。ところで、言っていいのかな。Exadataってまだ壊れる(ハードウェア障害が起こる)と思いませんか?コンソリデーションしていくうえでは信頼性のあるところにデータを配置するというのは大事かと思います。そういう点でもSPARCのUnixマシンは、優位性がありますよね。

 谷川:壊れるといっても、ハードウェアの標準的な故障率の範囲ということですよね(苦笑)。ところでインメモリについては、RAC(Real Application Clusters)との親和性はどうですかね?インメモリになろうが、RACではとくに関係ないですか?

 渡邉:もともとRACにはParallel Queryというのがあり、ノード間でクエリーを流したりしています。その拡張ではないのかなと理解しています。ただ、インメモリーでオプティマイザーがどうなのるのかが気になっています。

 谷川:そのときのノード間でメモリ連携のところがいかに速くなるかが、インメモリデータベースの速さに影響してくるのかな。

 石川:今回OOWのブースには、M10でPDBを構成したものを出展しました。PDBを252個までめいいっぱい積んでみたんですよ。

 一同:へえー(尊敬のまなざし)

 石川:実際にやってみると課題が見えてきました。アメリカから日本の沼津工場にあるサーバーとつないでPDBを追加していこうとしたのですが、やはり多少時間がかかるのでデモはライブではなく録画にするなど。ただリニアにPDBを増やしていけることは実証できました。

 渡邉:大変だったのはどこですか?ハードウェアとかソフトウェアとか。

 石川:(少し考えて)……データベースですね。ただ一般的な業務で252個もPDBを追加することはないと思うのですよ。

 谷川:現実的に考えればそうですね。前回も話題になったのですが、ハードウェア性能も絡め、適切な数と容量でコンテナデータベースをどう設計していくかは鍵になるのかなと思います。1つのCDBに250個のPDBを積むのが難しいとしたら、60個にして4つに配分するとかね。

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 岸和田:まとめすぎるとアプリケーションからの接続も問題になりますからね。新バージョンではコネクションプールの改善もあるそうです。メモリをどのように構成するか、ハードウェアをどうするか、コンテナデータベースをどう切るか、OSの機能を使うか。けっこう難しいと思います。

 谷川:早めにいろいろと検証していく必要がありそうですね。パフォーマンス対策でPDBを使うというのはありなのでしょうか?

 渡邉:強いて言えば、コンテナデータベースを2つ作り、どちらかのリソースが満杯になればもう片方に移動するというのはありでしょうね。スキーマでもできなくはないですが、PDBのほうが楽だと思います。

 石川:それは、PDBのほうが明らかに簡単ですね。

 渡邉:データベースを移動させることを視野に入れた運用は、これまではあまり考えませんでしたが。

 石川:これからは柔軟にできるようになるかもしれませんね。「これ、ほかのサーバーに移動しますね」とか。

 渡邉:データのライフサイクルマネジメントとはまた違いますが、重要度が高いシステムは高性能なサーバーに配置するとか、サーバーをまたぐときにCDBは面白いかもしれません。

 谷川:データではなく、データベースのライフサイクルマネジメントですね。

 石川:斬新。

 岸和田:クラウドサービスだとリソースごとに課金していたりしますからね。動かせるといいでしょうね。

 谷川:新規のマシンを購入したとき、リプレースするよりは、重要度で配置するサーバーを振り分け直すというのはいいかもしれませんね。そうなると、これまでと設計の考え方が変わってくるような気がします。1つの物理サーバーごとにデータベースをどうしようと考えていたところが、CDBに置き換わっていくのかな。

 渡邉:いろいろとやってみると、後で「オラクルが言っていたのはこれだったのか」と分かるのかもしれませんね(笑)

 谷川:まだまだ先を見通すのは難しいとしても、使ってみれば分かってきそうですね。

 岸和田:いろいろと試しながら提案ができそうです。さっき「柔軟性ある提案ができそう」と話したのはまさにこの点です。

 谷川:ああ、なるほど、なるほど。前は1つの構成でどれだけ長く使い続けられるかと考えていたけど、ハードウェアや重要度など状況が変化したら、素早く柔軟に構成を切り替えられるかが重要になりそうですね。

 岸和田:実際にはCPUはもっとあるけど使わないから「4コアまで使いましょう」ということもあります。

 谷川:これまでは、それを有効活用するとなるとVMでやるしかなかったけど。

 岸和田:これからはVMwareのようにリソースを分配したり配置したり、データベースでもできるようになります。

 谷川:今後「こんな使い方してしまいました」というような、意表を突くような構成が出てくると面白いかもしれませんね。いまオラクルが出すシナリオは「テストやバージョンアップで使いましょう」などです。これが王道的な使い方なのでしょうけど、ほかのシナリオももっとありそうな気がしてきました。

 渡邉:この先のバージョンでどうなるかも気になります。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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