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Oracle Database 12c メッタ斬り!

最終回!―オラクルはどこへゆく?

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さて、この「12cメッタ斬り」企画もいよいよ最終回。今回は、先日のOracle OpenWorldで新たなエンジニアードシステムとして発表されたバックアップのためのアプライアンスの話題から。そこからハードウェアとソフトウェアの融合の、今後の方向性の話へと。さらに再びマルチテナントの活用法、そしてデータではなくデータベースそのもののライフサイクル管理なんて話題へと、どんどん展開する。今回も、Oracleのプロフェッショナル・エンジニア目線で、新機能、新製品を時には辛口に評価していただいた。さまざまな12cの新機能をこんなふうに使ったらかなり便利になるのでは、そういったヒントが得られること間違いなしの内容だ。なお、前回に引き続き、今回の内容もオラクル社員抜きの、本音座談会となっている。本記事の内容は、あくまで、参加者の感想でありオラクル社の正式な見解ではないことを了承いただきたい。これまで通り、司会進行は谷川が務め、記事執筆は加山さんが担当した。

アプライアンスはあり?なし?

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富士通 石川貴美子さん(左)、アシスト 岸和田隆さん(右)

 谷川:OOWではバックアップのアプライアンスも発表されました。個人的には現場には喜ばれるのではないかと思うのですが、どうですか?

 渡邉:あれくらい巨大なラックを構えるとなると、Oracle Databaseが大量に稼働している環境でないと必要にならないのでは。日本のお客様でそれだけ使っているとなると、クラウド業者や大規模ユーザーなど限られてしまうような気がします。

 谷川:確かにあのラックを見たときにはハイエンド向けなので「これはExadata専用か?」と思いました。

 渡邉:一方であれはRMAN(リカバリーマネージャー)の機能をフル活用しています。RMANは昔からある機能ですがあまり知られてなかったので、オラクル技術者としては興味深いです。

 石川:私も同じくExadataのバックアップ用だろうなと思いました。私たちはExadataにいかに弊社製品を組み合わせてご提案するかが勝負なので、「これでOracleは、バックアップまで持っていくの?」と焦りました(笑)。

 岸和田:うちは対照的にExadataと組み合わせるものを自社では持っていなくて。バックアップは課題なので、Exadataと、あの「B」(*1)を組み合わせられるならいいですね。

 谷川:サイズ的には、Dabase Applianceくらいのものがでればよかったのに。

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(*1)あの「B」…Oracle Database Backup Logging Recovery Applianceのこと。ラリー・エリソン氏自らが命名したものだが、あまりに長すぎるため、「B」と呼ばれている。「B」の由来は、OOW発表時に公開された筐体のフロントパネルに、「B」という文字プレートがついていたためと思われる。

【参考動画】 http://www.youtube.com/watch?v=ysZZDNKllbI

 石川:そうですよ。小さいのならよかったのに。

 岸和田:Database Applianceにしてもバックアップは課題なので、そのうち小さい「B」が出てきたりするのでは(笑)

 谷川:あのバックアップの仕組みは、ソフトウェアで切り出してもそのまま使えますよね。それができれば、バックアップまで含め、オラクルでまとめる意味ではいいですよね。

 渡邉:現状のものは、Exadataのバックアップ先としてはいいかもしれませんね。

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伊藤忠テクノソリューションズ 渡邉千里さん(左)、DBオンライン 谷川耕一(右)

 谷川:12cの新機能しかり、今回発表のあった新製品など、今後どのような製品がいつごろから実際に市場で使われていくかが気になります。

 石川:マルチテナント機能であれば、コンソリデーションで整理していくように提案できたらいいかなと思います。細かくて小さいものがあれば、まとめれば管理も楽になりますので。

 渡邉:弊社はSPARCと12cを推していきたいと思っています。そんな中では、ロックの仕組みが変わるなど細かい発表が気になりました。とはいえ、12cから使える新機能は、良さそうだと感じています。

 谷川:SPARCと12cの組合せというのは、アプライアンスではなくてもオラクル製品でまとめるメリットがあるということですか?

 渡邉:3年前、オラクルがサン・マイクロシステムズを買収したときのOOWのテーマが「ハードウェアとソフトウェアの融合」でした。あれから3年が過ぎ、それが着々と進んでいるなと実感しました。

 谷川:個人的にはSPARC版のSolarisには興味がありますね。せっかくサン・マイクロシステムズを買収したのだから、x86でLinuxよりもっとSPARC使えばいいのにと思うんですけど。

 石川:ですよね!

 渡邉:タイミングかしら。Exadataを出した後にサン・マイクロシステムズ買収となったので。SPARCの活用はこれからではないかと思います。

 谷川:あまり目立っていませんでしたが、今回のOOWでExalyticsにSPARCベースの新モデルが出ましたよね。あれは、もっと推してもいいのに。

 石川:ちょうどM10の拡販で「BI乗せましょうよ」など話していたところでした。だから(出し抜かれて)「出てるし!」と驚きました(笑)

 渡邉:そういう意味でも、ExadataとSPARC SuperClusterの流れは気になりますね。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

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