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創業28年目のディップは“敏腕CIO”の登用でAI活用を加速、コスト削減ではなく「機会創出」に注力へ

営業部隊での利用活性化、鈴木孝知氏を訪ねる

 ディップの創業は1997年。紙媒体で仕事を探すことが当然だった時代に、いち早く「はたらこねっと」や「バイトル」などデジタルな媒体を始動させ、成長してきた。まさに求人を柱としたインターネットネイティブ、デジタルネイティブな企業だ。そのチャレンジ精神の旺盛さは“AI”に対しても変わらない。今回は同社のAI活用にかかわる取り組みについて、CTOとCIOを兼任する鈴木孝知氏に訊いた。

早くからAIに着目したディップは「dip AI Force」で全社展開中

 今でこそビジネス現場におけるAI活用というと「生成AI」のイメージがあるが、ディップのAI活用は生成AI以前から始動していた。2015年にはAI分野のプロジェクトチームを立ち上げ、2016年にAIメディア「AINOW」を開始、AIに特化したインキュベーション事業「AI.Accelerator」を通じて1,000社以上のAI関連スタートアップを支援してきた実績も持つ。そして、2019年にはAIやRPAを活用したサービス提供に事業拡大するとして、新たなビジョン「Labor force solution company」を掲げるなど、同社のAI活用の取り組みは長期にわたる。

 生成AIがブームとも言える盛り上がりを見せる中、2023年5月にディップ CIOに就任したのが鈴木孝知氏だ(2024年4月1日付で執行役員 CIO 兼 CTO)。これまで多数の企業でCMOやCIO、CPO、CISOとして、不振事業や赤字会社の立て直しに辣腕を振るってきた人物だ。「これまでは自分が活躍できるフィールドや条件が揃い、給料以上のパフォーマンスを発揮できるか否かで会社や仕事を決めてきました。しかし、ディップのフィロソフィー経営を知り、ここに自分が求める働き方や、世の中に貢献できる働き方があると気づきました。会社に惹かれて入社したのは初めてです」と話す。

ディップ CIO 鈴木孝知氏
ディップ 執行役員 CIO 兼 CTO 鈴木孝知氏

 CIOとしての主なミッションは情報システム部門の再統合、IT施策の策定と実行。前者はバーチャルチームとして機能的連携を図っていたものを組織として再統合し、評価者を集約することで連携性を強める。そして、後者はAIを含めた社内システム環境の整備だ。ITによる業務効率化、データの一元管理、これらに加えて2023年8月に立ち上がった「dip AI Force」[1]を含めた社内AI活用も統括している。

 「dip AI Force」は全社横断的にAI活用を推進するためのプロジェクトチームだ。AI活用の教育を受けたアンバサダーを旗振り役としてあらゆる部署に配置し、ChatGPTのプロンプト整備などを現場と一体で進めている。「AI活用がクルマを運転することだとしたら、IT部門の仕事は高速道路などインフラの敷設です」と鈴木氏。社員たちがAIで自由に“走り回れる”ようになれば、AIの業務利用はより自走していく。

 一般的に何らかのITソリューションで業務効率化を目指す場合、人員削減やコスト削減を目的とするケースは少なくない。一方、ディップにおけるAI活用は「すべての業務をAIという選択肢を加えて見直す」という考えの下で進めている。つまり、AIは人間の代替ではなく、一緒に働くサポート役という位置づけだ。

 もちろん、「AIよりも私のほうが正しい判断ができる(だからAIは必要ない)」と抵抗する人もいるそうだ。たしかに熟練であれば、AIよりも判断力や成果物のクオリティは高いだろう。そうしたとき鈴木氏は「若手や経験が浅い方のスキル水準を上げるためにAIを使いましょう」と人減しではなく能力の補完や支援のためだと説いていく、それもCIOの役割の1つだと話す。

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AIの真価を「労働時間の削減」ではなく、「営業機会の創出」に見いだす

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この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

EnterpriseZine/Security Online キュレーターフリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Online の取材・記事も担当しています。Webサイト:https://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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