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マイクロソフト古賀啓一郎の「今月のケースファイル」

消えたパフォーマンス―ボトルネックを探せ!

003

 どのような経緯だったのかはすっかり忘れてしまったのですが、あるお客様がSQL Server 2000で思ったほどパフォーマンスが出ないので調査してほしいという話が私のところに来ました。詳しく話を聞いてみると…

案件の概要

 そのお客様のアプリケーションというのは、もともとオラクルを使用していたものを、いろいろと理由があってSQL Serverを使用するよう変えたという事でした。期待したほどパフォーマンスがでないので、オラクルに戻すか、SQL Server 2005にアップグレードするかを検討中でしたが、パフォーマンス問題の原因が判明していない状況でSQL Server 2005にアップグレードするのは考えられないという状況だったのです。

なぜ、パフォーマンスが出ない?

 お客様のシステムに関する資料をいくつかいただきましたが、それだけでは不明な点も多かったので、お客様の所へお伺いしてヒアリングすることになりました。お客様のシステムというのは次のようなものです。

 まず、注文データがSQL Serverのデータベースに随時登録されます。この注文データを登録するアプリケーションについては、現時点で特に問題になっていません。

 次に、バッチジョブが登録されたデータを加工して、さらに別のシステムへ転送します。注文データは日々大量に登録されるため、データを加工して転送するアプリケーションはできるだけ早く転送できるよう複数のサーバーで稼働していました。パフォーマンスが期待したほど出ないのは、この転送アプリケーションなのだそうです。アプリケーションサーバーのCPUリソースは十分に空きがあるので、SQL Server側が遅延しているようだということです。

図1

 ここまでの話を聞いて、私はお客様へ「オラクルからSQL Serverへ移行するときに、このアプリケーションを何か変更しましたか?」と尋ねました。この質問に対するお客様の回答は「SQL Serverで動作するよう最小限の変更はあったが、基本的にはクエリやアプリケーションも何も手を加えていない。」というものでした。

 私はアプリケーションの動作を詳細に確認したくなったので、お客様にアプリケーションを貸してもらえないか打診してみました。話を聞く限り、システムは比較的シンプルな仕組みですし、貸与いただけるのであれば私の手元で動作させることができるのではないかと考えたのです。

 わざわざアプリケーションを借りなくても、本番環境やテスト環境で情報採取して確認することはできますが、お客様としてはあまり本番環境に触れてほしくないという思いがあったのと、私自身も問題が特定できた後にそれがSQL Server 2005にアップグレードすることで解消されることを一気に証明したかったのです。また、お客様のテスト環境ではSQL Server側のボトルネックが検出できていないというのも理由の一つでした。

 このような考えを一通り説明したところ、お客様からアプリケーションをお借りすることができました。会社に戻ってから、早速環境を構築します。お客様のアプリケーションは、Linux上で動作するJavaアプリケーションだったので、Red Hat上にアプリケーションをインストール・設定して動作を確認します。

次のページ
遅延を再現、そして…

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この記事の著者

古賀 啓一郎(コガ ケイイチロウ)

日本マイクロソフト株式会社勤務。きままなエンジニア。
謎があると解決せずにはいられない性格。
週末は家事に従事。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://enterprisezine.jp/article/detail/5495 2014/01/08 09:00

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