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フラッシュ・ストレージは速さだけでなく、エンタープライズの可用性、堅牢性が求められる時代に

 オールフラッシュのストレージは、いまもっとも注目度の高いハードウェアだ。いまや、ハードディスクベースのストレージ装置の新製品では、なかなかニュースにもならない。IBMでは、そのフラッシュメモリーを外付けのストレージ装置として、ストレージ装置の中の一部で、さらにはサーバーの中に直接というように、あらゆるシーンで活用する。

フラッシュ・ストレージへのニーズがエンタープライズシステムへと拡大中

日本アイ・ビー・エム システム製品事業本部 ストレージセールス事業部長 波多野 敦氏
日本アイ・ビー・エム システム製品事業本部
ストレージセールス事業部長 波多野 敦氏

 「IBMはすべてに対応します。それにより、顧客に最適なものを提供します」

 日本アイ・ビー・エム システム製品事業本部 ストレージセールス事業部長の波多野敦氏は、フラッシュ・ストレージはすべてのインダストリー、すべての顧客、すべてのアプリケーションに対応するものだと言う。

 ビッグデータ分析のような高速処理で価値をもたらす分野だけでなく、ビジネスの変化に応じ変化に迅速に対応するための柔軟性や拡張性が求められる領域、さらには堅牢性、可用性が要求されるエンタープライズシステムの中核領域といったすべてで、フラッシュ・ストレージは最適だ。このあらゆるシステム要求に応えることができるのが、IBMの戦略キーワードとなっている「Flash Everywhere」ということだ。

 そして、今回IBMが新たに提供を開始したのが、FlashSystem 840というオールフラッシュの外付けストレージモデル。

 これは、上記の適用領域としては、主にエンタープライズ・システム向けに位置づけられる。つまり、処理の速さだけでなく、堅牢性、可用性を併せ持ったモデルだ。

システム製品事業本部 ストレージセールス事業部 ビジネス開発部長 西川 望氏
システム製品事業本部 ストレージセールス事業部
ビジネス開発部長 西川 望氏

 システム製品事業本部 ストレージセールス事業部 ビジネス開発部長の西川 望氏は「顧客の要望は、まずはスピードです。他社製品と処理スピードを比較して、フラッシュ・ストレージが採用されます」と言う。2番目のアプローチがアプリケーションのアーキテクチャにもとづいて、フラッシュ・ストレージをデザインするもの。この場合は、多くは既存ミッドレンジストレージとのパフォーマンスを比較した結果、採用されることが多い。

 3つ目のアプローチが、ミッションクリティカルな領域での採用だ。この場合は、ハイエンドストレージと比較される。「フラッシュ・ストレージが浸透するに従い、スピードだけでなくアプリケーションのアーキテクチャやミッションクリティカル領域での活用と言ったニーズが増えてくると考えています」と西川氏は言う。つまり、きっかけは速さを求めてだが、次第にそれが特定のアプリケーションをうまく活用するためならばフラッシュを、さらにはエンタープライズでもフラッシュをと言うように、ニーズが拡大しているということだ。

次のページ
フラッシュを顧客に安心して採用してもらうための施策

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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