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マイクロソフトは情報の出し方に工夫が必要かも
北川:最近AmazonとAzureの資料を比べています。Amazonはできることをできるってシンプルに伝えてる。なのにMSのAzureは説明が妙に小難しいことが多い。たとえばAD on AWSとAD on Azureで比較すると、AWSは「シンプルにVPNにつながり、AWSに載せるとバックアップドメインサーバーとして使えます」以上終わり。僕らも同じことができるんです。しかし資料作成者の頭の中に「AWSと一緒だけどどうなの?」という思いがあるのか、本来のADの良さを伝えずに「ADFSというのがあります」とか、小難しい説明を挿入して分かりにくくしている。
小澤:内輪でだめ出ししてる(笑)
北川:全部伝えなきゃ、という意識が強すぎるのかもしれません。ADFSのフェデレーションとか、ADやりたいだけの人には小難しすぎるよ。もっとシンプルに作れないかなと自己反省。現状の制限事項からその回避策まで長々と書いて損してる。
笹木:負い目があるんですよね。Azureに関わる人はAWSを把握している場合が多いので使えば使うほど、AWSと比較して「あれができない、これができない」と歯ぎしりしてしまう。ちょっとずつ状況は変わってきていますが。
北川:プロモーションする立場からすると、AWSと同じである必要はありません。
谷川:それこそ○×表に陥ってしまう。
北川:MSの訴求ポイントとしては、笹木さんのようなサポートエンジニアがExcelからAzureまで全て一貫してサポートできるということです。そこに価値を見いだしてほしい。
小澤:Azureのいいところはシンプルなところ。AWSのいいところはインフラエンジニアが活躍できるところ。Azureは基本的にはシンプルな設定で構築できるのが強みだと思います。
谷川:「Azure使うならシンプルに使おう」が1つのポイントですね。
北川:和牛の品質みたいに分かりやすく!
小澤:肉ですか(笑)
北川:単純さに良さを感じるような資料にすればいいのに。後「Azureは高い」と考える人の中には誤解があります。よく理由を聞くとAWSでMySQLを動かすのと、AzureでSQL Serverを動かすのを比較しているんです。AzureにもMySQLはあるのに。
小澤:SQLデータベースもありますし。
北川:AzureでLinuxとMySQLを使ってもいいんですよ。先方がMySQLを使いたいなら。MSは「AWSかAzureか」で比較して提案すればいいんですよ。
小澤:北川さんからそんな言葉が出るとは。
北川:僕らはこれまでSQL Serverを使いたい人たちとか、SQL Serverを使ってほしい人たちとしかビジネスをしてきませんでした。しかしAzure始めたら単純にLinuxでMySQLを使いたい人にも出会ってしまったわけです。MySQLを使いたい人には「Azureでも使えますよ」と言わなくてはいけない段階に来たんですよ。それを「SQL Serverにしましょう」は話が違う。
谷川:オンプレミスでMySQLとSQL Serverを運用していて「クラウドに行きたい」となれば、無理して全部SQL Serverに統一することもありませんしね。
北川:まずAzureのクラウドに移行してみましょう。移行は思うほど難しくなくて、簡単だということです。AzureでLinuxやMySQLなども使えます。もちろん、Oracle 製品も使えます。Azureに関して、MSはプラットフォームとしてオープンな方向に進もうとしています。
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●座談会を終えて Text by 谷川耕一
今回の座談会を経て感じたのは、技術的には問題なくても実際にそれを現場のエンジニアが実施したいかは別の問題もあるということ。できるできないを明らかにするだけなく、こう使うべきこの使い方はあまりお勧めできないという情報も提供することが、ユーザーを安心させる材料になりそうだ。また、どこでどういう使い方をすると新たな課金が発生するといったことを含めて、オンプレミス、パブリッククラウド、データセンター事業者のサービスをうまく組み合わせたハイブリッド・クラウド環境の提案が求められそうだ。
クラウドは簡単便利ですぐに利用できるサービス。たしかにそういう側面もあるがそれはSaaSやPasSのほうの強い特性だろう。IaaSも活用するとなれば、どのハードウェアとOSをプラットフォームにしどのソフトウェアを採用すれば良いかを考えるSIよりもデータセンター間のネットワークや課金の仕組みまで考慮することとなり、それなりにノウハウやスキルがないと適切なクラウド活用提案ができない状況がありそうだ。とはいえ、気軽にSQL Serverなりをクラウドで運用できることは間違いない。すぐに移行せずとも、将来的にクラウド活用することを常に念頭に置いておいたほうが良さそうだ。
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