チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは4月3日、2014年の事業戦略と新アーキテクチャ「Software-defined Protection(SDP)」に関する記者説明会を開催した。SDPは米Check Point Software Technologiesが2月に発表した、SDN(Software-defined Networking)との連携をスムーズ行うためのアーキテクチャ。国内では3月12日に発表しており、順次、製品での対応を進めていくとした。
マネージドサービスを展開、クラウド版Software Bladeも提供

説明会ではまず、副社長執行役員の本富顕弘氏が4つの成長戦略を説明した。1つめは、次世代型ファイアウォール(NGFW)への注力だ。同社製品は、Software Bladeと呼ばれるセキュリティ機能を複数組み合わせて多層防御を実現する仕組みに特徴がある。NGFWではこのSoftware Bladeに新しい機能を追加し、新しい脅威にも対応できるようにしている。
特に、アプリケーション可視化、アンチボットにくわえ、昨年追加されたサンドボックス機能により、新しい未知の脅威に統合的に対応できるようになったことを強調した。サンドボックスは、オンプレミス環境で動作する「Threat Emulation」のほか、クラウド上の脅威情報共有基盤「ThreatCloud」がある。
「Threat Emulationは、1日平均20万件のマルウェア、1日あたり平均1000件の未知の攻撃を検出している。機器を設置して自社の状況を診断する無料サービスを実施しているが、その検出結果を見て、約6割の企業が導入を決める」(本富)という。
2つめは、大規模環境と中小企業への展開だ。同社の製品は、社員10名程度のSMBから、数十万人規模のキャリアネットワークまで対応する製品ラインアップを揃える。メインストリームより小規模な企業に力を入れる一方、大規模プロジェクトに対応していく。大規模プロジェクトとしては現在1億円規模の案件も進行中だという。
3つめは、アプライアンスをレンタルし、月額課金で提供するマネージド・セキュリティ・サービスの強化だ。アプライアンスの運用管理だけでなく、ThreatCloudで収集した脅威情報をベースに、チェックポイントのセキュリティ専門家がセキュリティ状況をわかりやすくレポートする。また、ローミングデバイスのためのセキュリティをクラウド基盤を使って提供する。これは、Software Bladeをクラウド側で提供する仕組みになるという。

4つめは、モバイルセキュリティへの注力だ。すでに、モバイルデバイスから社内環境にセキュアにアクセスできるアプリ「Check Point Mobile」を提供している。これらを使って、BYOD環境などで、ビジネス環境とプライベート環境の隔離、データアクセス時の認証の強制、Jailbreakなどのチェックと排除、リモートワイプなどを行うソリューションに力を入れていく。「今後、エンドポイントとしては、家電や自動車なども対象になっていく。将来的には売上を2~3倍にできると考えている」(本富)とした。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
齋藤公二(サイトウコウジ)
インサイト合同会社「月刊Computerwold」「CIO Magazine」(IDGジャパン)の記者、編集者などを経て、2011年11月インサイト合同会社設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集のほか、OSSを利用した企業Webサイト、サービスサイトの制作を担当する。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア