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ヤマト運輸の宅急便ネットワークを支える最重要システム「NEKOシステム」とは?情報システム部長 田中従雅氏が解説

 ガートナーは4月23~25日、都内で「ITインフラストラクチャ & データセンター サミット 2014」を開催。初日のゲスト基調講演には、ヤマト運輸の情報システム部長でヤマトホールディングスのIT戦略担当シニアマネージャーの田中従雅氏が登壇。「進化を続ける宅急便とそれを支えるテクノロジー」と題し、1974年から続く同社の基幹システム「NEKOシステム」の変遷と最新の取り組みを紹介した。

ヤマトの宅急便ネットワークを支えるNEKOシステム

▲ヤマト運輸 情報システム部長
ヤマトホールディングス IT戦略担当シニアマネージャー
田中 従雅氏

 ヤマトのNEKO(New Economical Kindly Online)システムは、2010年から稼働する第7次システムとの後継として現在、第8次システムの構築が進められている。車両数約5万台、取扱店24万5000店、営業所約6000店というヤマト運輸の宅急便ネットワークを支える最重要システムだ。

 NEKOシステムは路線貨物の運賃計算システムに端を発する。1976年の宅急便発売にあわせて、同社の物流とサービスを支える基幹システムとなり、以後、ビジネスの展開に合わせるように発展を遂げてきた。1985年に稼働した第3次システムでは、セールスドライバーに携帯端末を配備し、軒先での情報入力を実現する機能を搭載。また、1993年からの第4次ではICカードをいちはやく導入し、2005年からの第6次では携帯端末に通信機能を持たせた。新しいテクノロジーを先取りし、そのテクノロジーを使って新しい商品を開発してきたと言える。

▲NEKOシステムの変遷 出所:ガートナージャパン

 たとえば、第7次シテスムでは、クレジット、デビット、電子マネー決済機能を一体化した端末を提供した。この端末では、高速なWeb通信と無線LANを使って、上位データベースとのリアルタイムの情報処理を行うことが可能だ。また、端末のプリンターについて印字速度を向上させたり、携帯電話について、音声認識による無操作ハンズフリー通話などを可能にするといった改善も施した。クロネコメンバーズのメンバーズカードを利用すると、端末からWeb上のデータベースに問い合わせ、顧客のアドレス帳データを使って、送り状をその場で作成するといったこともできるという。

 「1976年の宅急便発売当日の取扱個数は11個だったという。その後『社員一人ひとりがものを考える』ことをモットーに現場目線での商品開発を続けてきた。サービス・商品の投入が『引き上げる力』とすれば、インフラの整備は『押し上げる力』になる。年々取扱個数を伸ばし続け、昨年は16億個を突破。20億個も見えてきたところだ」(田中氏)

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この記事の著者

齋藤公二(サイトウコウジ)

インサイト合同会社「月刊Computerwold」「CIO Magazine」(IDGジャパン)の記者、編集者などを経て、2011年11月インサイト合同会社設立。エンタープライズITを中心とした記事の執筆、編集のほか、OSSを利用した企業Webサイト、サービスサイトの制作を担当する。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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