その名のとおり、オラクルのユーザーグループなので主眼はおのずとOracle Databaseとなる。創立メンバーもOracle ACEやOracle Databaseの著者など、Oracle Databaseのプロフェッショナルたちが並ぶ。
日本の商用データベースに携わるエンジニアで考えると、最も多いのは間違いなくOracle Databaseのエンジニアだろう。ORACLE MASTERの取得者で考えてもダントツである。何万人もいるはずだ。しかし会社を超えた横のつながりというのはなかなかない。それはほかの商用データベースでも似た状況である。おそらく商用のデータベースを扱うエンジニアにとってデータベースは業務であることが多く、プライベートな時間を割いてまでデータベースに関わる必要性や意義を見いださないからではないだろうか。
コミュニティに参加しなくても、データベースエンジニア同士で交流することがなくても業務に支障が生じることはない。おそらく。ただしJPOUGの創立メンバーたちはデータベースエンジニアたちが持つ「孤独」に気づいていた。
一般的に開発者と比べるとデータベースの運用管理を担当するエンジニアは少ない(海外では異なるそうだ)。一方でシステムは複雑化し、データ量も増え、データベース技術者の責任や困難も高まっているにも関わらず、エンジニアに本当に必要な情報が届いているとは限らない。データベース管理者、あるいはデータベース技術者は人知れず困難に立ち向かっていることが多いのだ。
そうした困難を打開したいとの思いがJPOUGへの設立につながった。「みんなが それぞれ何かを ひとつの場に持ち寄れば」。単に技術の情報交換だけではなく、気持ちや悩みを共有すれば何かできるのではないかという希望がこめられている。
設立いらい、数ヶ月に1度のペースでセミナーや勉強会が開催されてきた。最近では「JPOUG Tech Talk Night」という形で夜開催の勉強会を重ねてきた。JPOUGボードメンバーの新久保浩二さんは「ユーザー会なのでベンダーメッセージやマーケティング的な話は全くありません」と断言する。ここがオラクルに関するイベントやセミナーの中では貴重であり、面白いところではないだろうか。
JPOUGは9月に大規模なイベントを久々に開催する。「JPOUG> SET EVENTS 20140907」である。データベースエンジニアなら見ての通り、開催日は2014年9月7日(日)だ。セッションは2トラックに分かれ、6つ開催する。最後にはお約束のライトニングトークも予定している。
「知られざる Oracle Database 12c の新機能」や「とあるDBAの黒い画面(ターミナル)II ~端末作業を快適にするヒント、お届けします(その2)~」のように技術解説メインのものもあれば、「DB思い出話いろいろ(仮)」や「(仮)エンジニアなでしこ魂3 -オラクルとプラチナと私-」のように体験談もある(あくまでタイトルからの予想)。
それだけではない。「MySQLのロックについて(仮)」と、MySQLをテーマにしたセッションもある。一瞬「おや?」と思えてしまうが、おかしくはない。オラクルのユーザーグループなのだから、MySQLがあってもいいのだ。
JPOUGボードメンバーの諸橋さんによれば、「過去にはHadoopをテーマにしたライトニングトークをしたこともありました」という。そのときの講師は諸橋さんだったそうだ。Hadoopをテーマとしてもちゃんとオラクルと接点がある。まだ実施したことはないそうだが将来的には「Javaの勉強会もあり」だそうだ。
9月のイベントでは久々の大規模開催というだけではなく、大きな特徴はスピーカーにボードメンバーが誰もいないこと。これまではボードメンバーがイベントの運営をしつつ、誰かが講師役を担っていた。しかし今回は違う。JPOUGボードメンバーの新久保浩二さんは「ぼくたちは黒子に徹します」と話す。スタッフの立場からすると「大きな2歩」となるそうだ。
「オラクル」をキーワードにOracle DatabaseだけではなくMySQL、Hadoop、そして将来的にはJavaも(?)。技術テーマだけではなく交流の幅も横展開が期待できそうだ。
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