今回の日本HPからの発表はビッグデータを見据えたストレージサーバーがメインではあるものの、ハードウェアだけではない。ソフトウェアも関係各社と協力しながら販売する。ビッグデータ時代に向けてハードウェアとソフトウェアの両面から取り組んでいく姿勢を示した。
新しく発表になるストレージサーバーはHP Apollo 4000シリーズ。スケールアウト型のストレージサーバーとなり、主にオブジェクトストレージ、Hadoop、NoSQLを想定したソリューションの構成要素となる。
日本HP エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘 一徳氏は「業界最高のストレージ密度」など技術的な特徴をアピールするとともに、ワークロードを最適化することやソリューションとして提案していく戦略を示した。
新しいHP Apollo 4000シリーズについては同社 HPサーバー製品統括本部 マーケティング本部 ハイパースケールサーバービジネス開発部 部長 岡野家和氏が説明した。主にHP Apollo 4200 SystemとHP Apollo 4500 Systemの2種類ある。
HP Apollo 4200 Systemは2Uラック型シャーシで2モデルある。岡野氏は「使い慣れた2Uなので従来のファシリティ、既存のラックをそのままお使いいただけます」と特徴を話す。HP Apollo 4200 LFFがオブジェクトストレージ向きで、内蔵ドライブの最大容量が224TBとなるモデル。HP Apollo 4200 SFFがビッグデータ分析向きで、内蔵ドライブの最大数が50 HDDとなるモデル。
HP Apollo 4500 Systemは4Uラック型シャーシで2種類ある。HP Apollo 4510 Systemはオブジェクトストレージ向きで、1台のストレージ容量は544TB。中にはハードディスクが密集している。10シャーシ搭載すればラックで5.44PBが実装可能となる。HP Apollo 4530 SystemはHadoop向き。3台の120TBサーバーを搭載しており、Hadoopで一般的な3コピーレプリケーションを想定している。岡野氏は「性能と容量のバランスを保ったモデル」と話す。こちらは10シャーシ搭載すればラックで3PB超が実装可能となる。
これらのハードウェアに加えて、ビッグデータ関連のソフトウェア製品も日本HPから順次販売開始となる。Apache Hadoopディストリビューションの「Cloudera Enterprise」は7月2日より販売開始、「Hortonworks Data Platform」は7月販売開始予定。オブジェクトストレージソフトウェアの「Scality RING」は7月2日より販売開始となる。日本HPでは各社の日本法人とマーケティングやトレーニングなどで協調しながら市場開拓を狙う。
さらに日本HPではリファレンスアーキテクチャの開発も強化していく。例えば「HP Big Data Reference Architecture」ではHadoopインフラ基盤を構成できる。コンピュート用サーバーとしてHP Moonshot、ストレージ特化型サーバーとしてHP Apollo 4500 Systemを組み合わせることで必要なほうを必要なだけ拡張できる。高密度、低TCO、低消費電力を実現できるとしている。