「従来型機能」から、改革・戦略に貢献する「新しいIT機能」へ
日本経済が上昇基調と言われつつも、多くの企業が厳しい状況にあることは変わりがない。そんな中でIT部門に期待される役割が大きく変化していると言われている。
独立系ITコンサルティング・調査会社であるアイ・ティ・アール(以下、ITR)が行った「IT投資動向調査2015」では、システムの機能やパフォーマンスの改善、セキュリティ管理等の「従来型機能」、新しいシステムやアーキテクチャの構想化などの「IT改革」、各部門への技術支援や提案といった「業務改革」、そしてビジネスモデルの開発・改良などの「ビジネス戦略」の4分野において、“期待度”が少しずつ変化していることが見て取れる。基本的には「従来型機能」に対し、現在50~60%の企業で期待すると答えているが、「3〜5年後に同じように期待するか」という質問について期待度は40%程度に減り、代わって「業務改革」や「ビジネス戦略」への期待度がやや増加している。
つまり、「従来型機能」については引き続き重要であることは間違いないが、新たに業務やビジネスにおける改革・戦略に貢献するという“新しいIT機能”が求められつつあるといえる。
金谷氏は「従来型IT機能では、社内サービス・プロバイダーとして『効率の追求』が使命とされていたが、新しいIT機能では、デジタル技術によるビジネス・イネーブラ(実現する役割)として『革新の創出』が使命となる」と解説。近年「第二のIT部門」や「デジタルビジネス部門の立ち上げ」など、新しいIT機能を担うIT部門が注目されることが多く、実際、その肌感覚は誰もが感じているのではないだろうか。