コンバージドインフラ、ハイパーコンバージドインフラが注目されている。規模の大きなサーバー環境を導入したければ、自分で各種ハードウェア、OS、仮想化ソフトウェアの組み合わせを考え、構成を決め調達しセットアップするなんてことをやる人は、今やだいぶ少なくなっているのではないだろうか。
EMC VCEでは豊富なコンバージドインフラのラインナップを揃えている
ネットワークから仮想化環境までを含め、ベンダーがあらかじめ最適化してくれているコンバージドインフラを採用すれば、手間も時間もかなり節約できる。さらには、ほとんどのケースでサポート窓口も一本化できるので、運用後のトラブル対処も楽になる。これらは、結果的にTCOの削減にも効いてくるだろう。
そんなコンバージドインフラのラインナップを充実させているのがEMCだ。EMC傘下でコンバージドインフラの開発、提供をしているVCEテクノロジー・ソリューションズのvアーキテクト シニアマネージャーの三邉祥一氏は「VCEのコンバージドインフラは、パブリッククラウドの運用と同じようなものをプライベートクラウドでも運用できるようにするものです」と語る。

vアーキテクト シニアマネージャー 三邉祥一氏
ここ最近コンバージドインフラの市場においては、より集約性を高めているハイパーコンバージドインフラを提供する新しいベンダーが増えている。それらのベンダーとVCEが異なるのは「コンバージドインフラのポートフォリオを取りそろえているところです」と三邊氏。実績ある技術を組み合わせているVblock/VXblockがあり、ソフトウェア・デファインド・ストレージを活用するより大規模な要件向きのVXRackもある。さらには、コンパクトで安価なハイパーコンバージド・モデルとなるVXRailもある。
これらのラインナップを揃えていることでデータセンター内はもちろん、データセンターをまたぐ形、さらには部門や支社などのエッジ部分まですべてを、VCEのコンバージドインフラで対応できる。「これが実現できるコンバージドインフラのベンダーは、世界的に見てもVCEしかありません」と三邊氏。
そんなVCEが提供しているコンバージドインフラが顧客から評価されているポイントは、俊敏性があること、仮想化環境をきちんと提供していて、その下を支えるインフラ構築に手間がかからないことだ。さらに信頼性も高い。
「Vblock導入企業へのインタビュー結果では、ダウンタイムの削減も96%という数字もあります。安定したシステムを素早く提供でき、システム安定化のためのIT部門の工数を減らすことができます」(三邊氏)
VCEのコンバージドインフラは、たんに既存製品を組み合わせて提供しているのではない。
「RCMという言葉、これが重要です。Release Certification Matrixの略で、モデルごとに必要最低限のテストシナリオを、時間をかけ実施しています。ベンダーとしてテストで保証するのは仮想化ハイパーバイザー以下の部分ですが、テストはもちろんOSも入れて行っています」(三邊氏)
コンバージドインフラで顧客が気にするのは、VMwareのバージョンアップのところだと言う。バージョンアップで、既存の仕組みがうまく動かなくなると困るからだ。そのため、製品同士の最新バージョンの組み合わせテストをかなり入念に行っている。メーカーではその組み合わせでOKとしていても、実際に組み合わせると問題が出ることもある。VCEのコンバージドインフラでは、それぞれの組み合わせ管理を行えるVisionという管理ソフトウェアも提供している。
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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