ITシステムは、いまや企業のビジネスと密接に関連している。ITシステムが止まれば、ビジネスが止まってしまう企業も増えている。今回は、いくつかの企業に、事業継続の対策、とくにITシステム関連の実際の対策状況について話を聞いた。 (IT Compliance Review vol.8より転載)
自社に合った事業継続計画のあり方を考える
ドクターシーラボは、肌本来の自然治癒力に着目したスキンケアを中心とする化粧品をはじめ、健康食品や美容機器等の製品、商品を提供している企業だ。
コールセンターを中心にWeb、ハガキ、FAXでの注文を受け付ける通信販売、直営店および有名百貨店・ショッピングセンター内にドクターシーラボコーナーを展開する対面型販売、バラエティショップやコンビニエンスストアを中心とした卸売販売といった複数のチャネルを通じビジネスを行っている。
ドクターシーラボの創立は、1999年2月。2003年3月にはJASDAQ市場に、2005年2月には東京証券取引所市場第1部に株式上場、ビジネスは速いペースで拡大を続けている。
2001年にはインターネット上にオンラインショップを早々に開設し、2002年は携帯電話向けのモバイルサイトもオープン。
さらに、新しいブランド「ラボラボ」のサイトを2003年には別途オープンし、各携帯電話事業者の公式サイトの提供など、その後も着実にオンラインによる販売チャネル強化が行われている。
利用されているITシステムは、すべてドクターシーラボが独自にスクラッチで構築している。従来は情報システム部門主導で開発パートナー企業の協力のもと構築、運用されてきたが、ビジネス変化の速いスピードに対応するため、インフラとeコマースのアプリケーション部分の担当に分けたという。
2006年1月からは後者は新たにダイレクト推進部内にeコマースグループという組織を設け、プロモーション活動と一体化したスピード感のある開発体制をとっている。
ITシステムのインフラ部分を担当するドクターシーラボ情報システム部部長の塩野常夫氏は、次のように語る。
「オンラインショップを開始した当初は、ITシステムは自社内に設置していました。2004年からはデータセンターを利用しています。そのころから、システムの可用性や負荷分散などを考慮するようになりました」。
拡大してきたビジネスに合わせITシステムが順次拡張され、増えてきたトランザクション量を確実に処理するためにもデータセンターを利用するようになったという。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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