まずは自己紹介
筆者は、人事部の事務職、役員室秘書課と渡り歩いた後、結婚し、専業主婦。その後再び派遣へ。離婚して、IT業界事務職から、総合職、という奇異なキャリアを歩んできました。一見流されるまま思いつくままのような経歴ではありますが、自分でやりたかったことや見たかった業界を渡り歩いてきました。
さらに、事務職のいわゆる「お局」と呼ばれる人たちにしごかれ、下積みを経験したことで、現在プランニング・調整・交渉などといった場で、細やかさと図太さ、粘り強さを発揮できているのは、過去の経験あってこそと思っています。
「周囲の女性、生き生きしていますか?」
多くの人は、IT企業にいる女性にどんなイメージを持つでしょうか?
一般的には「最先端技術の追求=最新の労働環境」というイメージをもたれることから、女性の活躍のステージが多いという印象があるかもしれません。特に専門職(SE、PG)等を担当・管理している女性は、実際数多く見るのですが、営業系職種になると、実際に男性がフロントに立つことが多いようです。その証拠に、業界誌の事例広告や記事、セミナーのスピーカー等の名前が公表される場で、女性の名を見かけることはまだ多くありません。
もちろん、営業系職種にも多数女性は存在しており、その中に戦力になる女性が沢山いるのですが、管理職レベルになると女性の比率は激減しているというのが現状のようです。
年齢・経験共に変わりないと思われる男女のキャリアの間で、差があるとすればどこに差があるのでしょうか。
一つには、キャリアパスの問題があります。
20年ほど前までは女性の適齢期を「クリスマスケーキ」と呼んでいました。時はバブル最盛期。24歳までに結婚して、暖かい家庭を築き、年越し蕎麦の31歳までには退職するのだ、と考えていた人も少なくありませんでした。当時は事務職で採用されることが多く、賞味期限切れにならない予定で働いていたのです。現在、活躍の場を変えた方は、そこから総合職に転換してキャリアを築いているため、能力的には優れていても、ステージを上げるには決められたプロセスを踏まなくてはいかず少々時間が掛かる、自然の成り行きパターンがあります。
二つ目には、IT社会の成り立ちが根底にあるように思われます。
情報技術を作り上げてきたのは、現在の働き盛りの男性達。これからの時代はコンピュータ(懐かしい響き)を使う仕事だ!と言われていた時代です。大学の専攻も男性が多い理系学部でした。そして、元SEやPGの方々−現在はその頃の中心になっていた人が目指すのは、技術力があって、論理的に話せる人。当然管理職のポジションになっている人も多いようです。現在も男性が対等に気兼ねなく話ができるのは男性だということで、女性の活用は少ないように思えます。