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週刊DBオンライン 谷川耕一

2017年はIoTやAI、機械学習の技術が本格的な普及期に―そして「データ」が鍵となる!

 ここ最近、IT市場を牽引してきたのが「クラウド」「ビッグデータ」という2つのキーワードだろう。一時期はこれらのキーワードを冠にするイベント、セミナーも多数開催された。しかし、2016年にはこうしたキーワードはすでにあまり話題に上がらなくなった。取り上げられなくなったのは廃れたのではなく、すでに当たり前の存在になったからと言えそうだ。そしてこの2つに替わって「IoT」と「AI、機械学習」が台頭している。これからを「IoT時代」と表現することすらある。そして今や、猫も杓子もAIだ。機械学習的なにおいが少しでもすれば、そのサービスは「AI搭載」と謳われる。2017年は、このIoTとAI、機械学習という言葉の利用はさらに加速するだろう。

IoTはインフラの話題から集めたデータの活用へ、そしてエッジ処理が新たに注目

 かつてのIoTは、どちらかと言えば「物」をつなぐところに注目が集まっていた。そのため、物に付けるセンサーをどうするか、つなぐためのネットワークや通信の仕組みをどうするか、そしてつないだときのセキュリティをどう確保するかが話題の中心だった。2016年くらいからは、こうしたIoTのためのインフラの話題が一段落した感がある。各種センサーが比較的安価に手に入るようになり、IoTのための通信、ネットワークの手段もだいぶ見えてきたからだ。

 こうした変化を受けて、2017年からの話題の中心となりそうなのが、IoTで得られたビッグデータをいかに活用するかのところだ。こちらのほうがむしろIoTの本質であり、やっと本格的にビジネスとしてIoTの実装が始まるのが2017年となりそうだ。

 IoTで集めたデータの活用では、単に蓄積して分析し、そこから何らかの知見を見つけ出すだけではない。得られた知見を使い、具体的にサービスを改善するプロセスまで考えたり、データを生み出した物に対し、知見を活用して自動制御を行うことも必要だろう。最初にどんなセンサーを付けて、どうつなぐかを考えるのではなく、自動制御などをするために必要なIoTのインフラはどのようなものかを考えるようになるのが2017年だ。

 もう1つIoTで2017年以降で本格化しそうなのが、エッジコンピューティングという考え方だろう。数多くのセンサーでどんどんデータをクラウドに渡すだけでなく、センサーを付けた物の側である程度のフィルタリングやデータ処理をし、必要なデータだけをネットワーク越しにサーバー側に渡す。これは大量のセンサーデータを渡す通信環境が十分でない、あるいは何が何でもすべてのデータを集めてサーバーに蓄積する必要はないとの発想が背景にはある。

 さらには、自動制御で便利にすることを考えれば、常に通信してサーバー側に指示を仰ぐよりも、簡単な判断であればエッジ側で瞬時に処理するほうが利便性が高いのもあるだろう。スマートフォンや自動車など、エッジ側がそれなりに能力も知性の高い「物」では、つなぐことも大事だがこのエッジコンピューティングの仕組みを実装することが2017年には加速しそうだ。

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知らないうちにAIの恩恵を受けるもの、意識して高度にAIを使うもの

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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