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アサヒグループがオールフラッシュストレージを採用し、5年間のTCOを63%削減

 アサヒグループ 国内38社、22,000ユーザーが利用するプライベートクラウド基盤。その中核とも言える「統合ストレージ」が、オールフラッシュストレージにより全面刷新された。導入効果は、5年間のTCOを63%削減させるなど驚くべきものだ。成長戦略を加速させるアサヒグループが求めた「統合ストレージ」の要件とは。主要8製品の中から選定されたオールフラッシュストレージとは。アサヒグループのIT戦略を担うキーパーソンに聞いた。

全社システムの8割以上を集約する、プライベートクラウド基盤のストレージ刷新

 2016年11月、8ラックを占めていたストレージシステムの撤廃が完了した。アサヒグループ国内38社、22,000ユーザーが利用するプライベートクラウド基盤において、中核的な役割を担う「統合ストレージ」の刷新である。新たに導入されたのは、HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイ。国内主要ベンダーの主力ストレージを上回る評価を得て選定された製品だ。統合ストレージ刷新プロジェクトをリードした、アサヒプロマネジメント 業務システム部 副部長 企画グループ グループリーダーの北浦靖司氏は、次のように話す。

「アサヒグループ全社のビジネスを支えるストレージ基盤を、ゼロベースで見直しました。8製品を対象に、パフォーマンス、耐障害性、投資対効果など100以上の項目で検証。絞り込んだ4製品を対象に実機テストを行い、HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイの採用を決めました」

アサヒプロマネジメント株式会社 業務システム部 副部長 企画グループ グループリーダー 北浦靖司氏
アサヒプロマネジメント株式会社 業務システム部 副部長 企画グループ グループリーダー 北浦靖司氏

 アサヒプロマネジメントは、2011年からアサヒグループ全体のIT戦略の推進を担っている。中でも、グループのIT戦略と事業会社のニーズを合致させるミッションは重要だ。経済産業省と東京証券取引所が選定する「攻めのIT銘柄」に2年連続(2015年および2016年)で選ばれるなど、同社が果たしてきた役割は高く評価されている。

 機器選定から検証・評価、構築、移行の実務を担当したのは、アサヒビジネスソリューションズである。同社 ソリューション本部 システム技術統括部長の石橋正啓氏は、「アサヒグループ全社にプライベートクラウドサービスを提供するとともに、長年にわたりアサヒグループのIT環境の標準化・共通基盤化に力を注いでいる」と説明する。

アサヒビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション本部 システム技術統括部長 石橋正啓氏
アサヒビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション本部 システム技術統括部長 石橋正啓氏

 アサヒグループは、国内外でM&Aによる成長戦略を加速させながら、同時にIT環境の統合化を進めてきた。グループ横断的なシステム共通基盤への取り組みを2001年にスタート。2007年にはプライベートクラウド基盤を構築し、段階的にこれを強化しながら、2015年までに販売物流、生産、会計などグループ全社の基幹システム統合を完了させた。

「グループシナジーを発揮させるために、共通基盤としてのプライベートクラウドが大きな役割を果たしています。グループに加わった企業のシステムをこれに統合することで、標準化された業務プロセスへのスムーズな移行、経営情報のタイムリーな共有が可能になり、アサヒグループのビジネスのスピード感に適応することができるのです」(北浦氏)

 新たに「統合ストレージ」の役割を担うことになったHPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイ。選定の経緯を聞きながら、その実力を明らかにしていこう。

インテル Xeon プロセッサー搭載「HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイ」を採用

 アサヒグループでは、3年単位の中期経営計画に沿って「統合ストレージ」を構成する機器の集約を進めてきた。ストレージリソースの有効活用、運用負荷の軽減、コスト削減などの成果を挙げてきたが、一方で課題も生まれたという。

「分散していたI/Oが集約されたことでストレージの負荷が急増し、夜間バッチ時間の伸長など、特定の時間帯で処理が重くなるような影響が出てきました。仮想マシンの増大、仮想サーバー環境特有のランダムI/Oの増加も負荷を高める要因になったと分析しています」と、アサヒプロマネジメント 業務システム部 課長 企画グループの畑本和美氏は話す。

アサヒプロマネジメント株式会社 業務システム部 課長 企画グループ 畑本和美氏
アサヒプロマネジメント株式会社 業務システム部 課長 企画グループ 畑本和美氏

 北浦氏が示した課題解決の方針はシンプルだった。

「ストレージ性能の向上だけで、プライベートクラウド全体の性能課題を解決しようと考えました。高いI/O性能を発揮するオールフラッシュアレイを採用し、アプリケーションやサーバーに手を加えることなく、あらゆる処理要求に高いレスポンスで応えることを目指しました」(北浦氏)

 一方で、ストレージ製品の選定に際しては100以上の項目で慎重に評価が進められた。一次審査で特に重視されたのは以下の項目だ。

  • ① 現行ストレージに接続しているすべての物理サーバーとの接続性がサポートされること
  • ② コントローラーがActive - Activeで完全二重化されていること
  • ③ 機器・コンポーネントに単一障害点が存在しないこと
  • ④ 通常運転時で現行ストレージの2倍以上、縮退運転時で同等以上の性能を発揮すること
  • ⑤ すべての保守作業をオンラインで行えること

「HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイは、全ての必須要件を満たしていました。中でもWindows、Linuxから商用UNIXまで新旧多様なサーバーOSに標準で対応しており、移行が容易なことは明らかな優位性でした。他の製品はパッチを適用しなければならず、移行工数が大きく膨らむことが予想されたからです」と、アサヒビジネスソリューションズ ソリューション本部 システム技術統括部 プラットフォームサービスグループの白井峰雪氏は話す。

 HPE 3PAR StoreServオールフラッシュアレイを含む4製品が、必須要件を満たして二次審査の実機テストに進んだ。適合できない製品はすべて不採用とされた。

アサヒビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション本部 システム技術統括部 プラットフォームサービスグループ 白井峰雪氏
アサヒビジネスソリューションズ株式会社 ソリューション本部 システム技術統括部 プラットフォームサービスグループ 白井峰雪氏

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Hewlett Packard Enterprise 執筆チーム(ヒューレット パッカード エンタープライズ シッピツ チーム)

 

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