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標的型攻撃や内部不正に「IDアクセス管理」が効く理由――グローバルで急成長中のActive Directory管理製品に迫る

競合製品と比べ数分の1のコストで導入・運用が可能

 なお、前項で紹介したManageEngine製品群は、世界中で既に120,000社以上の企業/組織に導入され、近年では特にActive Directory関連の製品が急成長している。日本国内においてもさまざまな業界の多様な規模の企業による導入が進んでいる。同社の製品が広く受け入れられている理由の1つとして、その豊富な機能や実績に加え、低コストで導入・運用できる点が挙げられる。  

ゾーホージャパン ManageEngine&WebNMS事業部 マーケティングチーム マネージャ ー 曽根禎行氏

 例えば、Password Manager Proと同様の機能を持つ特権ID管理製品は他社からも提供されているが、その多くは管理対象となるIT機器数や、特権IDを利用するユーザー数などに応じてライセンス料が算出される。それに対してPassword Manager Proは、特権IDの利用を「承認する人の数」を基にライセンス料が決まる。そのため、システム規模の拡大や特権IDを利用するエンジニアの増員に伴う追加コストは発生せず、比較的安価に導入・運用・継続できるのだ。  

 同様にADManager Plusは管理者の数、ADAudit Plusはドメインコントローラの数でライセンス料が算出されるため、ドメインユーザーを基にライセンス料が決まる他社製品と比べ大幅にライセンス料を抑えることが可能だという。  

 「多くのケースでは、他社製品と比べ数分の1程度のコストで導入できる。また、ライセンス価格の一覧を弊社サイトで公開しているため、コスト負担の見通しも立てやすい。例えば、大手グループ企業の子会社や関連会社、国や地方公共団体の出先機関/取引先など、 親会社や本庁のように十分に予算が当てられないお客様から、身の丈に合った現実的な選択肢として広く導入・運用されている」(曽根氏)  

 もちろん、既存製品の機能強化や、製品ラインアップの拡充にも抜かりはない。特に、企業におけるクラウド利用がますます広がる中、クラウド環境の運用管理やセキュリティ対策に関するニーズも高まりつつある。曽根氏によれば、ManageEngineでも既にクラウド関連の機能拡充が着々と進められているという。  

 国内提供の具体的な予定はまだ決まっていないが、既に海外では、クラウド環境のログを取得・管理するための製品が提供されている。また、先ほど紹介したADSelfService Plusには、Google Appsなどへのシングルサインオンを可能とする機能も実装された。今後はオンプレミスとクラウドをまたがったハイブリッド環境向けのソリューションにも力を入れていく予定だ。

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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