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大規模データ活用 on クラウド(AD)

Oracle ExadataをAzure SQL Data Warehouseに移行―ゲオHDデータ分析担当に訊く、クラウドで分析環境を運用する利点

データベースだけでなくさまざまなサービスがすぐに使える

 こうした移行事例に詳しいブレインパッドの安良岡氏は次のように語る。

「従来はSQL Serverを用いたオンプレミスでのデータ分析環境の構築が多かったが、最近はIaaSの上でSQL Serverを動かしたり、Azure SQL Data Warehouseを活用したりする案件が増えています。さらに大容量のデータ分析では、Azure HDInsightを動かしてSparkを活用することもあります。データ量が従来の数倍、数十倍といった際には、Azure SQL Data Warehouseやクラウド上でHadoopを活用する提案が増えています」(安良岡氏)

 これまで社内に散在していたデータを統合するのにも、クラウドを活用するようになった。

「複数のデータソースを統合化するのに、技術的にはオンプレミスでもクラウドでも大きな違いはありません。少し前まではクラウドにはセキュリティ面の懸念もありましたが、Azureは各種セキュリティ認証も取得しており、さらに日本の東西にデータセンターがあるので国内に閉じた形で使えるのも、安心材料になっています」(安良岡氏)

 またAzureにはStream AnalyticsやMachine Learning、Cognitive Servicesなど、すぐに使えるさまざまなデータ分析サービスが用意されており、それらを組み合わせれば行いたい分析がすぐにできるのもメリットだ。

 ブレインパッドでは、社内にデータサイエンティストを多数抱え、そのスキルを生かし企業が蓄積しているデータを分析して価値を提供するところに強みを持っている。「最近のトレンドとして、弊社では溜めたデータを可視化するBIの活用提案に加え、さらに機械学習などを活用する提案も増えてきています」と安良岡氏。データを深く分析する際に、Azureの機械学習やAIのサービスには学習済みのすぐに使えるモデルが用意されているのは便利だと評価する。

 加えてクラウドなので、Azureではインフラ運用の心配がなくなったのもメリットだと言う。安良岡氏は「インフラ運用の管理が楽になることは大きなメリットです。楽になるぶん得意なデータ活用に注力できます」と述べた上で、さらに初期投資を抑え小さく始める提案ができるのも優位性だと強調した。

 ブレインパッドでは、Microsoftの認定パートナー企業による検証環境構築サービスであるCloud Everywhereの一つとして、Azure SQL Data Warehouseを使ったデータ分析環境の提供を行っている。さらに、セキュリティカメラの画像を活用したCRMソリューションの「おもてなしサポートシステム」では、AzureのFace APIなどを活用して顔画像から顧客を認識し店舗などでリアルタイムに「おもてなし」をするための仕組みを提供している。これを活用することで、店舗とデジタル世界をリアルタイムに連携させたOne to Oneマーケティングを実現できる。Azureにデータ基盤とコグニティブサービスが揃っていたからこそ実現できたサービスだ。

おもてなしサポートシステムとは
おもてなしサポートシステムとは[図をクリックすると拡大表示]
おもてなしサポートシステムの概要
おもてなしサポートシステムの概要[図をクリックすると拡大表示]

 安良岡氏は、次のように語る。

「機械学習やコグニティブサービスなどで、さらに簡単にデータを学習できるサービスを提供してほしい。そういう意味では、新しいSQL Server 2017のデータベースの中で機械学習が行える機能には期待しています」(安良岡氏)

 データベースの中で機械学習ができれば、ニアリアルタイムでの高度なデータ分析の実現も可能になる。そういった新しい使い方についても、Microsoftには大きく期待しているとのことだ。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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