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大切に思う知人へのプレゼントを考えるような「エスノグラフィック・リサーチ」とは? 

大阪ガス行動観察研究所株式会社(旧株式会社エルネット)セミナーレポート:第4回

 文化人類学、社会学などで実践されてきた、フィールドワークに基づく調査・記録手法であり、記録した文書を起源とするる「エスノグラフィ」。近年は、消費者を深く理解するために活用されることが増えてきているという。その有用性について、また具体的な活用法と活用する際の注意点などについて、大阪ガス行動観察研究所株式会社 技術開発部の久保隅 綾氏が解説する。

現場に寄り添い、真の課題を見極める「エスノグラフィック・リサーチ」

 どうしたら顧客を理解できるのか。どうしたら潜在ニーズを掴み、価値を提供するにはどのようにすればいいのか――。

久保隅 綾
▲ 久保隅 綾 氏 
大阪ガス行動観察研究所株式会社
技術開発部 主席研究員

 商品企画・開発、そしてマーケティング、営業、経営者に至るまで、さまざまな立場の人々が常にこの課題に直面し、悩んでいるといっても過言ではないだろう。

 久保隅氏はそうした企業の人々と課題を共有し、様々なアプローチを提案、実践しながら解を導き出してきた。その取り組みのなかで、久保隅氏は「現場を起点にして、徹底的に人を観察する過程から、思わぬ想定しないニーズやアイデアが見つかる可能性を実感している」と語る。

 現場での観察や調査、フィールドワークからつぶさにデータを収集し、それらをさまざまな人間に関わる学術的知見やアプローチを用いて分析を行い、本質的な課題を見出していく。

 そうした「行動観察」の手法が、「水面下に隠れて見えない潜在ニーズや未共有のノウハウ」を見出すうえで有効であることは、前回のセミナーでご紹介したとおりだ。そこで特に久保隅氏が重要視している手法が「エスノグラフィック・リサーチ」だという。

 「エスノグラフィ」とは、エスノ(ethno:民族)とグラフィー(graphy:記述)の意味を持ち、「民族誌学」などと訳される。さまざまな部族の生活に入り込み、文化や価値観、生活様式などを記録する、文化人類学や民俗学などで用いられてきた研究手法だ。この考え方を応用して、消費者の生活の現場を理解するために行動観察の場で活用されはじめている。

エスノグラフィの3つの特徴
▲ 図1:エスノグラフィの3つの特徴

 文化人類学者であり、IBMで実際にサービスデザインや新サービスの開発などに携わっているBlomberg教授は、その手法としての特徴として「Natural Settings:自然な場で」、そして「Holistic:全体的に」「Descriptive:記述的」の3項目をあげる。研究室に呼んで話を聞くというより、知りたい相手の生活の現場に行って、その現場で見聞きしたものを記述し、全ての生活を対象にするべきだというわけだ。さらに「できるだけ多く厚く記述すること」、そして観察される人に対して「十分な信頼関係を構築すること」などが重要ポイントとなる。

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「大切に思う知人に差し上げるプレゼントを考えるように」リサーチする

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この記事の著者

伊藤真美(イトウ マミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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