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第6回 Windows Azureだとアプリケーションの実行速度は上がるのか?

  2009/08/20 07:00

ユーザインタフェースの工夫でユーザの不快感を回避する

 また、インターネットを介して遠隔地のデータセンターにアクセスするクラウド環境では、ネットワークのレイテンシ(遅延)も無視するわけにはいきません。

 アカマイ社などがすでに動画配信サービスなどに提供しているネットワークの高速化技術を活用することで、インフラレベルの回避を実現することもできますが、そもそも低い運用コストを旗印にクラウド環境を利用する場合、その追加コストを許容できない場合もあるでしょう。

 そこで、クラウドアプリ特有のチューニングポイントとして、ある程度のレイテンシがあることは覚悟の上、ユーザーに不快感を与えないよう配慮するユーザーエクスペリエンスがより重要になってきます。マイクロソフトが動画ストリーミングからRIAアプリケーション技術へとSilverlightテクノロジーの進化を急いでいるのもその一環です。

クラウドの長所をうまく活用するアーキテクチャが必要
クラウドの長所をうまく活用するアーキテクチャが必要

 AJAXが定着したことで、HTMLのページ読み込みをすべて完了しなくても、画面描画の裏側で非同期にサーバーとアクセスするスタイルがWebアプリケーションを中心とした領域で確立してきました。

 今後クラウド側のリソースと通信するアプリケーションが増えてくるにつれ、単に表現としてのユーザーインタフェースを改善するだけにとどまらず、クライアント側あるいは中間サーバーにキャッシュのような仕掛けを持たせたり、ユーザーの操作を先読みして必要なデータをあらかじめ取得したりする処理方式がユーザーの対話型操作を必要とするクラウドアプリにおいて標準的な仕組みになってゆくことでしょう。



著者プロフィール

  • 砂金 信一郎(イサゴ シンイチロウ)

    マイクロソフトでクラウドコンピューティングやWebサービスを中心とした啓蒙活動を行うエバンジェリスト。過去のキャリアを活かし、ソフトウェア技術者とマーケター、さらに戦略コンサルタントの顔を使い分けながら啓蒙活動を展開。日本オラクルにおいて、ERPから情報系ポータル、新規事業立ち上げまで幅広く経験。その後、ドイツ系戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガーにて、自動車メーカーを中心に、各種戦略立案プロジェクトに従事。スタートアップ企業であるリアルコムにてマーケティング責任者を務めた後、現職。東京工業大学工学部卒。 http://blogs.itmedia.co.jp/isago/ http://twitter.com/shin135

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