トラディショナルPC全体の出荷台数は前年同期比6.7%増、274万台
法人市場は、大きな成長局面に突入したとIDCではみている。2013年後半から2014年の前半に大量に購入されたPC(Windows XPの延長サポート終了に伴う特需)の買い替えと、Windows 7の延長サポート終了を鑑みたWindows 10への移行が本格的に始まったことが背景にある。このトレンドは、Windows 7の延長サポート終了の直前、つまり2019年第4四半期(10月~12月)まで継続するとIDCでは予測している。
家庭市場については、これといった需要の喚起要因が見当たらない。家庭におけるPCの買い替えサイクルは長期化しており、さらに今年の猛暑により支出がエアコンや扇風機に取られるといった季節要因も家庭PC市場にとって負の要素となっている。
レノボ/NEC/富士通グループの誕生により同グループのシェアは39.8%に
カンパニー別の出荷数上位5社は以下のとおり。 第2四半期に、Lenovo Group Limitedが資本参加した新生「富士通クライアントコンピューティング」が事業を開始したことに伴い、IDC Japanではレノボ/NEC/富士通グループと表記し、1つのカンパニーとして取り扱う。
レノボ/NEC/富士通グループは、法人市場と家庭市場を併せたトラディショナルPC全体市場におけるシェアが39.8%に達している。成長率は、グループ全体で前年同期比11.6%増、特に法人市場での同比が26.0%増と躍進が目立っています。グル―プ内の各Brandとも、大企業が法人市場の成長を牽引している。家庭市場では同比7.6%減だった。
富士通は、同グループ内で最大の出荷規模を有している。法人市場で前年同期比19.4%増、家庭市場では同比6.7%減となり、全体では同比8.8%増だった。 NECは、長らく低迷していましたが、復調の兆しが見えています。前年同期比が法人市場で19.2%増、家庭市場で9.9%減、全体で同比6.2%増となっています。
レノボは、同グループ内で最高の成長率を示した。法人市場における前年同期比が47.8%増、家庭市場が同比5.4%減、全体で同比24.4%増だった。
日本HPは、法人市場で同比13.9%増、家庭市場は同比6.5%増、全体で同比12.8%増。Top 5の中では、両市場でプラスの成長を示した唯一のカンパニーになる。
デルは、法人市場は同比14.5%増、家庭市場では同比33.1%減で、全体では同比3.8%減となった。リテールチャンネルにおける不振が響いている。
東芝は、法人市場で同比14.3%増、家庭市場では同比24.1%減となり、全体では同比4.7%減。大企業では好調を維持している。
アップルは、法人市場で同比18.1%減、家庭市場で同比17.5%減、全体が同比17.6%減と、両市場で振るわなかった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は、「東芝クライアントソリューションが10月にシャープの傘下に入ることが明らかになった。近年、dynabookの出荷数の減少が続いていたが、早々に法人を立て直すことが新生dynabookの成否を左右する」とコメントしている。
今回の発表は、IDCが発行した「国内PC市場 2018年第2四半期の分析と2018年~2022年の予測」にその詳細が報告されている。 参考資料:2018年第2四半期 国内トラディショナルトPC出荷台数 トップ5カンパニーシェア(作成:IDC Japan)