x86サーバーの売上額は、前年同期比2桁成長、国内サーバー市場を牽引
2018年第2半期の国内サーバー市場は、2四半期ぶりに、売上額が前年同期比でプラス成長となった。x86サーバーとその他のサーバーが、前年同期比2桁のプラス成長となった。x86サーバーは、6四半期連続で、前年同期比プラス成長、その他のサーバーは3四半期連続で、2桁のプラス成長となった。一方、メインフレームは、3四半期連続で前年同期比2桁のマイナス成長となった。
x86サーバーは、売上額が前年同期比27.7%増の936億円だった。官公庁や文教におけるテクニカル・コンピューティング用途の大口案件、クラウドサービスベンダー、通信、製造向けの大口案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。出荷台数は、前年同期比6.4%増の11万4,370台であった。
その他のサーバーは、売上額が前年同期比38.2%増の91億円。金融向けビジネスサーバーの大型案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。出荷台数は、3.7%増の1,110台でした。メインフレームは、売上額が前年同期比38.7%減の132億円。前年同期にあった金融、製造向けの大型案件を補うほどの出荷が無く、2桁のマイナス成長となった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「今期は、テクニカル・コンピューティング用途の大口案件や、クラウドサービスベンダー向けの大口案件が国内サーバー市場を牽引した。また、大口案件以外の出荷では、x86サーバーの平均単価が上昇したことにより国内サーバー市場を下支えした。x86サーバーの平均単価上昇は、搭載するプロセッサーのコア数上昇、これに伴うメモリや内蔵ストレージの容量増加が背景にある」と述べている。
ベンダー別売上額は富士通が1位、NEC、日本ヒューレット・パッカードの順
カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持した。メインフレームは、前年同期比で2桁のマイナス成長だった、x86サーバーは、官公庁や文教向けのテクニカル・コンピューティングの大口案件などがあり、2桁のプラス成長、その他のサーバーもプラス成長となった。
2位は、NEC。その他のサーバーは、3桁のプラス成長、メインフレームは、流通向けの大型案件で2桁のプラス成長となった。x86サーバーも、プラス成長だった。3位は、日本ヒューレット・パッカード(HPE)。x86サーバーは、マイナス成長だったが、その他のサーバーは、金融向けの大型案件があり、3桁のプラス成長。4位は、デル(Dell Inc.)。ネット企業向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長となった。5位はIBM。メインフレームは、2桁のマイナス成長、その他のサーバーも、マイナス成長だった。なお、ODM Directの売上額は前年比、23.4%のプラス成長となり、3位のHPEに次ぐ規模になった。
出荷台数は、富士通が首位を維持、2位以下は、NEC、HPE、デル、Lenovoの順だった。なお、ODM Directの出荷台数は前年同期比、4.6%のプラス成長となり、2位のNECに迫る規模だった。
今回の発表は、IDCが発行した「国内サーバー市場 2018年~2022年の予測:2018年第2四半期」にその詳細が掲載されている。
・x86サーバー:x86アーキテクチャのプロセッサーを採用し、Windows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバー。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めない。また、「x86サーバー」と「メインフレーム」以外のサーバーを「その他のサーバー」として記載している。
・その他のサーバー:「RISCサーバー」「IA64サーバー」「ビジネスサーバー」「スーパーコンピュータ-」の総称として使用している。