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ガートナー、2019年に企業や組織にとって戦略的重要性を持つテクノロジ・トレンドのトップ10を発表

戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10

 ・自律的なモノ

 ロボット、ドローン、自律走行車などの自律的なモノは、これまで人間が担ってきた機能を、AIを利用して自動化する。そのような自動化は、固定的なプログラミング・モデルによる自動化をはるかに上回る機能を提供し、AIを活用して周囲の環境や人とより自然にやりとりする高度な振る舞いを実現する。

 ・拡張アナリティクス

 拡張アナリティクスは、拡張インテリジェンスの特定領域に焦点を当て、機械学習を使用してアナリティクスの対象となるコンテンツの開発/利用/共有方法を変革する。拡張アナリティクスは、データ準備、データ管理、近代的なアナリティクス、ビジネス・プロセス管理、プロセス・マイニング、データ・サイエンス・プラットフォームにおける主要機能として、主流の採用へと急速に進展している。

 拡張アナリティクスから自動生成された洞察も、エンタプライズ・アプリケーションに組み込まれるようになる。例えば、人事、財務、営業、マーケティング、顧客サービス、購買、資産管理といった部門で、アナリストやデータ・サイエンティストだけでなく、あらゆる従業員の意思決定とアクションを、それぞれの状況に合わせて最適化できるようになる。拡張アナリティクスがデータ準備、洞察の生成、洞察の可視化を自動化することによって、多くの状況においてデータ・サイエンティストの関与が不要になる。

 ・AI主導の開発

 AI搭載ソリューションの開発における市場のアプローチが急速に変わりつつある。従来は、専門家としてのデータ・サイエンティストがアプリケーション開発者と連携する必要がある場合がほとんどだった。新しいモデルでは、サービスとして提供される「事前に定義された」モデルを使用して、専門の開発者が単独で作業できる。これにより開発者は、AIのアルゴリズムとモデルのエコシステムに加えて、AIの機能とモデルをソリューションに組み込むための開発ツールを利用できるようになる。

 専門アプリケーション開発では、AIが開発プロセス自体に適用され、データ・サイエンス、アプリケーション開発、テストのさまざまな機能が自動化されるのに伴い、さらなる機会がもたらされる。2022年までに、新規アプリケーション開発プロジェクトの40%以上において、AIが共同開発者としてチームに参加するようになる。

 ・デジタル・ツイン

 デジタル・ツインとは、現実世界の実体やシステムをデジタルで表現したものを指す。ガートナーでは、2020年までに、コネクテッド・センサとエンドポイントの数が200億を超え、数十億のモノに対するデジタル・ツインが存在するようになると予測している。

 企業や組織は、まず単純な形でデジタル・ツインを導入し、その後、適切なデータを収集および可視化する能力を向上させたり、適切なアナリティクスとルールを適用したり、ビジネス目標に効果的に対応させたりするなど、時間とともに利用法を進化させていく。

 ・エッジ機能の拡張

 人が使用するエンドポイント・デバイスや、周辺環境に組み込まれたエンドポイント・デバイスをエッジと呼ぶ。エッジ・コンピューティングとは、情報の処理およびコンテンツの収集と配信が、これらのエンドポイントに近い場所で行われるコンピューティング・トポロジを指す。トラフィックの流れや情報の処理をローカル側に維持しようとするものであり、その狙いは、トラフィックと遅延の低減にある。

 近い将来、エッジ機能はIoTによって、また、集中管理型のクラウド・サーバではなくエンドポイントの近くで処理を行うというニーズによっても強化される。ただし、クラウド・コンピューティングおよびエッジ・コンピューティングは、新たなアーキテクチャを開発するのではなく、補完的なモデルとして進化していく。クラウド・サービスは、一元化されたサービスとして管理され、集中管理型のサーバのみならず、オンプレミスの分散サーバやエッジ・デバイス自体でも実行されるようになる。

 今後5年間で、さまざまなエッジ・デバイスにおいて、処理能力、ストレージ、その他の高度な機能が強化されるとともに、専用のAIチップが搭載されるようになる。こうした組み込みIoT環境の異種混在性が極めて高くなり、産業システムなどの資産のライフサイクルが長期化することで、管理上の大きな課題が生じる。

 長期的には、5Gの成熟に伴ってエッジ・コンピューティング環境が拡張し、一元化されたサービスとの通信がより堅牢なものとなる。5Gは、遅延の低減、帯域幅の拡大に加えて(エッジで非常に重要な点として)1平方キロメートル当たりのノード数、すなわちエッジのエンドポイント数の大幅な増加をもたらす。

 ・イマーシブ・エクスペリエンス

 会話型プラットフォームによって、人がデジタル世界とやりとりする方法が変化しつつあると同時に、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR) によって、人がデジタル世界を知覚する方法も変化している。こうして、知覚とやりとりの両方のモデルが変化すると、将来のイマーシブなユーザー・エクスペリエンスが実現する。

 ・ブロックチェーン

 ブロックチェーンは、分散型台帳の一種であり、信頼性と透明性を実現し、ビジネス・エコシステム間における摩擦を軽減することで、各種の業界を再構築すると見込まれている。また、コスト削減、決済時間の短縮、キャッシュフローの改善を実現する可能性を秘めている。

 今日の社会では、「唯一の真実」をデータベースにセキュアに保持している中央機関として、銀行や手形交換所、政府といったさまざまな機関に信頼が置かれている。中央集権型の信頼モデルは、取引の遅延を招き、追加コスト(手数料、料金、貨幣の時間価値)をもたらす。ブロックチェーンは、こうした既存の仕組みを代替する信頼モデルであり、中央機関による取引の仲介を不要にする。

 現在、高度に分散されたデータベースをはじめとする多くのブロックチェーンの取り組みが推進されているが、これらはブロックチェーンの特徴のすべてを実現するものとはなっていない。ブロックチェーンから着想を得たこれらのソリューションは、ビジネス・プロセスの自動化や記録のデジタル化により、オペレーション効率を向上させる手段として位置付けられる。既知の実体間における情報共有を強化し、物理資産およびデジタル資産の追跡とトレースの機会を改善する可能性を秘めている。

 その一方で、こうしたアプローチは、ブロックチェーンによる真のディスラプションがもたらす価値を実現できず、ベンダー・ロックインを助長する恐れもある。ブロックチェーンに取り組む企業や組織は、このような制約があることを理解し、完全なブロックチェーン・ソリューションへと移行していく態勢を整える必要がある。また、ブロックチェーン以外の既存テクノロジの利用を効率化および調整することで、同様の成果を達成できる可能性があることも認識すべきだ。

 ・スマート・スペース

 スマート・スペースとは、オープン性、接続性、調和、インテリジェンスがますます高まっているエコシステムにおいて、人間と、テクノロジによって実現されるシステムがやりとりする物理環境またはデジタル環境を指す。人、プロセス、サービス、モノを含む複数の要素がスマート・スペースで組み合わさり、対象とする人と業界のシナリオ向けに、よりイマーシブかつインタラクティブな、自動化されたエクスペリエンスを創出する。

 ・デジタル倫理とプライバシー

 デジタル倫理とプライバシーは、個人、組織、政府機関にとって大きな懸念となっている。人々は、自らの個人情報が官民問わずさまざまな組織でどのように扱われるかについて、ますます関心を持つようになっている。こうした課題に積極的に対応しないままでいると、組織は手痛いしっぺ返しを受けることになる。

 ・量子コンピューティング

 量子コンピューティングとは、亜原子粒子(電子、イオンなど)の量子状態を基盤とする、従来とは異なるタイプのコンピューティング技術であり、量子ビット(キュービット)と呼ばれる素子として情報を表現するもの。

 並列実行と指数関数的な拡張性を可能にする量子コンピュータは、従来のアプローチでは複雑過ぎて解決できない問題や、従来のアルゴリズムでは解決に時間がかかり過ぎる問題の処理において、卓越した能力を発揮する。

 自動車、金融、保険、製薬などの業界や、軍事分野、研究機関などは、量子コンピューティングの発展から大きな恩恵を受ける。例えば、製薬業界では、量子コンピューティングを利用して原子レベルで分子間相互作用をモデル化し、新しいがん治療薬の市場投入までの時間を短縮できる可能性がある。また、タンパク質間の相互作用の予測にかかる時間を短縮し、その精度を高めることで、新しい薬学的方法論を導くことができる可能性もある。

 ガートナーは、11月12~14日に、「Gartner Symposium/ITxpo 2018」をグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール(港区高輪)で開催する。ガートナーのセッションでは、CIOをはじめとするITリーダーの最重要課題について、13の主要な領域におけるテクノロジ、戦略、リーダーシップに関する最新トレンドや最先端の知見、洞察を提供する。このプレスリリースに関連した内容は、「2019年の戦略的テクノロジ・トレンドのトップ10」(13日 9:00~9:45、22B)で紹介される。

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