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国内サーバー市場、2017年~2022年の5年間における年間平均成長率はマイナス2.2%――IDCがシステムタイプ別予測

2018年は前年比0.1%増の5,022億6,800万円になると予測

参考資料:国内サーバー市場 支出額予測、2017年~2022年(作成:IDC Japan)

 2018年の国内サーバー市場は、前年比0.1%増の5,022億6,800万円になると予測している。システムタイプ別の支出額を見ると、SoRが前年比0.2%減の1,919億5,600万円、SoE/SoIが同4.9%減の520億6,100万円、Otherが同1.4%増の2,582億5,100万円。また、2022年の国内サーバー市場は4,484億5,900万円を見込んでいる。

 2017年~2022年の5年間における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス2.2%。システムタイプ別に見ると、SoRが1,505億6,400万円でCAGRはマイナス4.8%、SoE/SoIが529億700万円で同マイナス0.7%、Otherが2,449億8,800万円で同マイナス0.8%になると予測している。

 国内サーバー市場全体の支出額が弱含むと予測する最も大きな要因は、生産年齢人口(15歳以上65歳未満人口)と年少人口(15歳未満人口)の減少にある。両人口の減少は、サーバーが処理するデータやトランザクションの減少を意味するからだ。この減少分を補い、かつ、サーバーの価格性能比向上サイクルを上回るペースでサーバー需要が創出されない限り、国内サーバー市場の拡大は望めない状況にある。

システムタイプと配備モデルの組み合せで見るとプラス成長を示すセグメントも存在

 国内サーバー市場全体の支出額は縮小均衡へと向かうものの、システムタイプと配備モデルの組み合せで国内サーバー市場を分類すると、プラス成長を示すセグメントが存在する。具体的には、SoR on Cloud、SoE/SoI on Cloud、およびOther on Cloudの3セグメントになる。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーである福冨里志氏は、「サーバーベンダーは、これら3つの成長セグメントのうち、特にSoE/SoI on Cloudに注力すべきであろう。本セグメントでは新規需要を攻略することが成長戦略になる。具体的には、企業規模の観点で裾野へと広がる余地があるCRMソリューションへの注力と、データに基づく洞察を得るためのコグニティブ/AIシステム関連ソリューションの拡充およびデマンドクリエイション(需要の創造)である。また、SoI関連のビジネスは、唯一、サーバーハードウェアの差別化による競争力の強化が可能な成長セグメントでもある」と述べている。

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内サーバー市場 システムタイプ別予測アップデート、2018年~2022年」にその詳細が報告されている。なお、調査レポートは2018年第2四半期版のIDC Quarterly Cloud IT Infrastructure Trackerおよび2018年上半期版のIDC Semiannual Server Tracker: Workloadに基づいている。

 ■システムタイプについて

  • SoR(Systems of Record):法人や個人事業主の事業活動(商取引)や公的機関における公的サービス提供活動の記録や処理を行うシステム。
  • SoE(Systems of Engagement):エンゲージメントには外部エンゲージメントと内部エンゲージメントがある。外部エンゲージメントは主に顧客および取引先との関係性である。内部エンゲージメントは社員や従業員との関係性である。ここでは顧客エンゲージメントに関わるシステムのみをSoEとして扱う。
  • SoI(Systems of Insight):収集したさまざまなデータの分析を通して、洞察(インサイト)を得るためのシステム。
  • システム基盤プラットフォーム(SIP:System Infrastructure Platform):システムを安全かつ安定的に連携して運用するためのシステムや、コミュニケーションや共通ファンクションを提供するためのシステム。なお、科学技術計算やアプリケーション開発などの用途も本システムタイプに含める。
  • 機器/装置制御システム(A/DCS:Apparatus/Device Control Systems):医療機器、キオスク端末、ビルファシリティ管理、自動倉庫システム、ファクトリーオートメーションにおける産業用ロボットや工作機械などの制御を主目的とするシステム。

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