ITRではセールス・イネーブルメント・ツールを「セールスコンテンツを中核に据えた業務を効率化・高度化することで、営業力を強化するための製品・サービス」と定めている。
具体的にはセールスコンテンツの①作成・更新、②保管・管理、③レコメンド、④共有(メール添付、オンライン商談など)、⑤活用状況、⑥売上貢献度の可視化、ならびに営業担当者の⑦教育/トレーニング、といった機能が含まれる。現在、これら全ての機能を包括するツールは極めて少なく、この調査では①、②、⑤、⑦の4つの機能を有する製品・サービスを対象としている。
セールス・イネーブルメント・ツール市場の2017年度の売上金額は14億円、前年度比6.1%増となった。営業体制の強化が図れる製品として同ツールへの注目は2018年度より徐々に高まっており、参入ベンダーも増加傾向にあることから、2018年度は同10.7%増の成長が見込まれ、同市場のCAGR(2017~2022年度)は17.2%と高い伸びを予測している。
ITRのシニア・アナリストである三浦竜樹氏は、「国内企業の約4割は、営業人材の不足を課題として抱えています。その状況下で上昇する売上げ目標を達成するには、営業業務の効率化と営業スキルの底上げが命題となっており、SalesTechへの注目が高まってきています。なかでも、営業スキルの平準化と底上げに有効と思われるのがセールス・イネーブルメント・ツールです。スマートデバイスやAIを活用した新たな営業力強化ソリューションとして、今後、製品・サービスの成熟と企業への普及が急速に進展すると予測しています」とコメントしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:SFA/統合型マーケティング支援市場2019」に詳細が掲載されている。レポートには、SFA市場、統合型マーケティング支援市場、名刺管理市場およびセールス・イネーブルメント・ツール市場の国内全44ベンダーへの調査に基づいた2016~2017年度売上げ実績および2022度までの売上げ予測が掲載されている。