x86サーバーとメインフレームの売上額が前年同期比2桁のプラス成長
2019年第1四半期の国内サーバー市場は、売上額が前年同期比で2桁のプラス成長となった。製品別ではx86サーバーとメインフレームが、前年同期比2桁のプラス成長となった。x86サーバーは、9四半期連続でプラス成長、メインフレームは2四半期連続で2桁のプラス成長となった。一方、その他のサーバーは、2四半期連続で前年同期比2桁のマイナス成長となった。
x86サーバーは、売上額が前年同期比12.8%増の1,141億円だった。通信、ネット企業、製造、ITサービス向けの大口案件などで2桁のプラス成長となり、国内サーバー市場を牽引した。出荷台数は、前年同期比8.8%減の12万7,650台だった。
なお、x86サーバーは、Standard Server(Enterprise向け)とCustom Server(Hyperscale Service Provider向け)に分類される。Standard Serverとは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバー。
Custom Serverとは、主にクラウドサービスベンダーが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバー。
Standard Serverは、売上額が前年同期比16.3%増の1,035億円、出荷台数は、同5.3%減の11万3,320台だった。Custom Serverは、売上額が前年同期比13.0%減の106億円、出荷台数は、同29.6%減の1万4,330台だった。
x86サーバーは出荷台数でマイナス成長だったが、平均単価上昇で売上額増
メインフレームは、売上額が前年同期比21.2%増の203億円。金融、製造、公益向けの大型案件などが貢献し、2桁のプラス成長となった。その他のサーバーは、売上額が前年同期比18.1%減の80億円だった。前年同期にあった金融や通信向けの大型案件の反動で2桁のマイナス成長となった。
国内サーバー市場を牽引したx86サーバーは、出荷台数が前年同期比でマイナス成長だったが、売上額は2桁のプラス成長となった。これは、x86サーバーの平均単価上昇によるもの。
x86サーバー平均単価上昇の要因として、x86サーバーに搭載するプロセッサーのコア数増加、これに伴うメモリ搭載容量増加、およびHDDからSSD(Solid State Drive)へのシフトなどがあるとIDCはみている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は、「x86サーバーのプラス成長は、平均単価上昇によるものであり、出荷台数はマイナス成長である。平均単価は、今後一定の価格帯で落ち着くとみており、このまま出荷台数のマイナス成長が続けば、売上額もいずれマイナス成長になる。よって、サーバーベンダーは、AIやIoT用途など、サーバーの新規需要創出に努める必要がある」と述べている。
カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持した。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル テクノロジーズ(Dell Technologies)、日立の順。日立は、前四半期より順位を1つ上げ5位となった。出荷台数は、NECが首位を維持した。次いで、富士通、HPE、Dell Technologies、日立の順だった。上位5社の順位に変動はなかった。
(注)
x86サーバー:x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバー。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めない。また、「x86サーバー」と「メインフレーム」以外のサーバーを「その他のサーバー」として記載している。
その他のサーバー:「RISCサーバー」「IA64サーバー」「ビジネスサーバー」「スーパーコンピュータ-」の総称として使用している。