調査では、企業が準備すべき10の人事・組織トレンドを「労働力の未来」「組織の未来」「HRの未来」の3つの分野に整理し、それぞれどのように人間中心の組織改革を実現すべきか解説している。
労働力の未来
今後10年もしないうちに、従業員がスマート・マシン、ロボットそして新しいタイプの代替的労働力(フリーランスやギグ・ワーカー、クラウド・ワーカー等)とより良い協働ができるように、多くの企業が職務を“人間らしく”デザインし直すことになる。
伝統的/非伝統的をあわせた全労働力の活用が進み、仕事においては自動化とロボティクスやAIによる労働力の拡張(スーパージョブ)が実現される。さらに、職場においてはバーチャルな協働プラットフォーム、遠隔コミュニケーション・ツール、仮想/拡張現実やその他のテクノロジーの活用によって、環境と働き方が変革され、従業員はより自由かつパーソナライズされた仕事を担うようになる。
- トレンド1:代替的労働力:現在の主流
- トレンド2:ジョブからスーパージョブへ
- トレンド3:21世紀のリーダーシップ:伝統と革新の交点
組織の未来
組織は、従来の階層的な縦割り型組織からオープンなネットワーク型チーム組織へ進化することによって、よりアジャイルな企業経営と個々人の仕事の意義を実現する「人間中心」の運営へ劇的に変化する。
この変化の先に、企業のリーダーが組織の戦略と構造を改革すべき領域として、業務・業種のプラットフォーム化や、チーム・ネットワーク型組織運営、そして報酬に対する新しいアプローチが挙げられ、これらの解決によってソーシャル・エンタープライズへの進化が実現できる。
- トレンド4:エンプロイー・エクスペリエンスからヒューマン・エクスペリエンスへ:仕事の意義の回復
- トレンド5:組織のパフォーマンス:それはチームスポーツだ
- トレンド6:報酬:新しい期待値に対するギャップを埋める
HRの未来
「人間中心の組織改革」は、組織とHRのリーダーが直面する困難と不確実性を乗り切り、前進する道を切り開くものだ。人材や労働力の管理におけるHRの役割について、職務の再デザインや仕事の整理、チームの組成と開発、学習と仕事の一体化、従業員のエンゲージメント向上、多様な人材と雇用形態の取り入れなどが課題に挙げられる。
HRリーダーは、これらの解決を主導するために、人事機能やHRテクノロジーの再設計を従業員個々人にとってパーソナライズされるよう取り組むことが求められる。
- トレンド7:人材へのアクセス: 採用を超えた人材獲得
- トレンド8:生活・生涯を通じた学習
- トレンド9:タレント・モビリティ:人材獲得は内部から
- トレンド10:HRクラウド:終着点ではなく出発点