今回TDXと共同で実証実験を行うGestamp社は、工場の生産性と信頼性向上に向けIndustry 4.0チームを社内に組成し、デジタル技術とデータを活用した各種プロジェクトに取り組んでいる自動車部品メーカーだ。両社は2018年4月から、同社の英国工場において部品溶接検査に関するPoC(概念検証、proof of concept)を実施しているという。これまで橋梁や大規模ビルなどの損傷検知などで活用されていたAEセンサーを、工場の製造工程に導入。東芝のAIや分析技術活用によって、従来に比べてより高精度な溶接検査を可能としたことを背景に、共同の実証実験に至った。
同プロジェクトはTDXとGestamp社のほか、両社への出資者である三井物産も協力。来年3月までGestamp社のドイツ工場で実証実験を進め、不良検出率の精度をさらに高めるとともに、Gestamp社の他工場への水平展開と本格商用化を目指すという。
実証実験開始に際して、Gestamp社 アドバンスト・マニュファクチャリング・ダイレクターのレネ・ゴンザレス氏は「Gestamp社は、東芝の最先端のIoT/AI技術による、画像認識やAEセンサーを活用した溶接の検査システムに対して、大きな期待を持っております。私たちは、お客さまの製品品質に対する期待に応えるため、実験の結果を踏まえ、このソリューションを弊社の他工場にも展開していきたいと考えています」と話している。
また、TDXの取締役社長 沖谷 宜保氏は「東芝グループが長年ものづくりの現場で蓄積してきた製造技術知見・経験と、IoT、AIを活用したデジタル技術を組み合わせることでサイバーフィジカルシステム(CPS)を実現し、世界中に多くの製造現場を持つGestamp社の製造品質の維持・向上に貢献出来るソリューションを次々に、またグローバルに提供して参りたいと思います」としている。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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