日本オラクルは、クラウディアホールディングスがブライダル事業において、「Oracle Autonomous Data Warehouse」を採用したデータ分析基盤の運用を開始したことを、12月3日に発表した。
クラウディアホールディングスの基幹システムは、おもに婚礼衣装の受注生産業務に携わる約100名のスタッフが利用する生産管理システムと、約600名の店舗、式場運営、営業関連スタッフが利用する販売管理システムで構成されており、どちらもオンプレミス環境で稼働している。
同システムは15年前に構築され、改修を加えながら利用されてきたが、サーバのトラブルなどの問題もあって、今後の事業を見据えた大規模な改修・移行が必要な状況にあった。
また、受注実績、売上実績、ブランドごとの受注分析、店舗ごとの受注状況、在庫状況といった事業における重要なデータは、すべて同システムで管理しており、経営層、各部門、店舗が必要とするデータの抽出や加工は、定期的かつ必要に応じて随時、データベースへのアクセス権限を持つ情報システム担当者が手作業で行っており、大きな負担となっている。
今回の新たなデータ分析基盤の導入は、現状の改善とより膨大なデータを用いた現状把握と予測、将来の商品およびサービス強化に向けたもので、膨大なコストがかかる基幹システムのプログラム修正や、従業員に負担のかかる運用変更を避けつつ、基幹システムのデータ可用性を高めて、データに携わる情報システム担当者、店舗スタッフ、経営層など、すべての従業員が必要なデータにアクセスできるようにする。
利用する「Oracle Autonomous Data Warehouse」は、データウェアハウスのワークロードに最適化された自律型データベース・クラウド。管理、拡張、監視、チューニングが自動化され、運用コストの低減やデータ管理者の生産性向上に寄与する。さらに、ビジネスの状況を直感的に把握することが可能なダッシュボードとして使える「Oracle Data Visualization Desktop」によって、業務担当者によるセルフサービスでのさまざまな将来予測の分析を実現した。
クラウディアホールディングスでは、「Oracle Autonomous Data Warehouse」上で受注生産をベースとした婚礼衣装や関連商品の生産管理データと、各店舗・式場などでの販売管理データの統合を図り、シームレスにデータを参照・抽出できる環境を整備している。また、「Oracle Data Visualization Desktop」を使用して情報システム担当者のレポーティング業務の負担を大幅に軽減した。
今後は現場スタッフの業務効率と、情報システム担当者の運用効率向上に向けて、基幹システムの改修およびクラウド移行を予定している。