Winテクノロジと日本マイクロソフトは、中央省庁と自治体の行政手続きのデジタル化に向けて、経済産業省がビジネスアプリケーション作成ツール「Microsoft Power Apps」を活用し、2020年内の本格展開を目指して実証実験を開始したことを、2月12日に発表した。
同実証実験は、経済産業省が2018年9月に「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」にて発表した「2025年の崖」の克服に向けて、「Microsoft Power Apps」を活用した簡便・迅速なDX手法およびその効果の検証を目的としている。
「Microsoft Power Apps」は、2019年に同省が公示した「後援名義申請デジタル化等を例とした行政手続PaaS環境の導入実証・調査事業」における実証基盤として採用されており、プログラミングの知識がなくてもPCやスマートフォンで動作するビジネスアプリケーションを簡単に作成できる。
行政職員の多くが業務をデジタル化したいと考えているものの、従来の進め方では時間や費用がかかる一方で、期待したほどの効果が得にくく、とりわけ頻度や件数の少ない業務ではデジタル化の検討が行われていないことから、同事業が新たなデジタル化のアプローチになると期待されている。
具体的には、簡便な学習で技術を取得可能なローコードツールにより、迅速かつ低コストで手続きのデジタル化を実現。さらに事業者および行政における各種手続きの業務処理にかかる時間の効率化や、決裁リードタイムの大幅な短縮による企業の円滑な事業活動の促進、申請・届出・意見といったデータの可視化による新たな行政施策への反映なども期待されている。
実証実験では、Winテクノロジと日本マイクロソフトが経済産業省と連携して以下を行う。
- 「後援名義申請デジタル化等を例とした行政手続PaaS環境の導入実証・調査事業」において、後援名義申請デジタル化などを例とした行政手続PaaS環境の導入実証・調査
- 「Microsoft Power Apps」を使って行政手続用のアプリケーションを開発するハッカソンを実施し、ハッカソンで誕生したアプリケーションを導入実証
- 経済産業省内のIT専用人材が、「Microsoft Power Apps」を活用して他の中小規模の簡易な手続き向けにアプリケーションを開発していくための環境構築や、スキルアップの支援
「Microsoft Power Apps」を活用できる行政手続きの例としては、以下がある。
- 後援名義申請
- 汎用的な文書管理・決裁ワークフロー
- 受託事業者管理
- 事業者からの各種届出・申請業務