ヴィーム・ソフトウェアは、6月4日に「2020 データプロテクションレポート」を発表した。
同調査は、スイスのVeeam Softwareがグローバル企業1500社以上を対象に実施した調査結果をまとめたもの。ビジネスリーダーおよびIT部門の上級意思決定者(ITDM)から1550名を無作為に選択して、2019年8月~2020年1月の期間に行われている。
同調査によれば、IT部門ではデータのバックアップや復元だけでなく、ビジネス機能の強化も含めた「データ保護」が重要となっている。一方で、世界全体の40%、日本の44%の企業が、ビジネス上で被る被害を十分に評価することなく、従来のデータ保護システムに依存し続けている。また、95%の企業が予期せぬ停止を経験しており、停止時間は平均で117分(約2時間)に及ぶ。
企業は、自社データのうち51%を優先度が「高い」と捉えており、優先度が「高い」アプリケーションによる1時間のダウンタイムコストは6万7651ドル(約730万円)と推算。また、優先度が「通常」のアプリケーションでは6万1642ドル(約664万円)に達している。
企業がクラウドで利用している機能としては、「クラウドサービスを介した企業の災害復旧(DR)機能」(54%)、「ワークロードをオンプレミスからクラウドに移行する機能」(50%)、「ワークロードをクラウド間で移行する機能」(48%)となっている。半数の企業はクラウドが今日のデータ保護戦略において重要な役割を果たし、今後さらに重要になる可能性が高いと認識している。
今後12カ月以内に企業に影響を及ぼす課題としてもっとも多かったのは、「サイバー脅威」(世界全体の32%、日本の39%)であり、「技術導入のスキル不足」(世界全体の30%、日本の47%)ならびに「変化し続ける顧客ニーズへの対応」(世界全体の29%、日本の32%)といった意見も寄せられた。
さらに、企業が現在直面している、もっとも影響の大きなデータ保護の課題としては「新しい取り組みに従事する人材の不足」(世界全体の42%、日本の29%)だった。ほかにも、「新しい取り組みに対する予算の不足」(世界全体の40%、日本の24%)、「業務パフォーマンスに関する可視性の不足」(世界の40%)といった意見も挙げられている。