アイ・ティ・アール(以下「ITR」)は、国内のリモートデスクトップ/リモートコントロール市場規模推移および予測を発表した。
リモートコントロール市場の2019年度の売上金額は22億円、前年度比10.0%増を示した。2020年度は同6.8%増を見込んでいる。また、リモートでのサポート業務は拡大傾向にあり、安定的な伸びが見込まれ、CAGR(2019~2024年度)は6.0%を予測している。
一方、リモートデスクトップ市場の2019年度の売上金額は13億5,000万円、同16.4%増と高い伸びを示した。近年の働き方改革の推進により、在宅勤務が徐々に増えたことが市場の拡大を後押ししたとする。
2020年に入ってからは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う在宅勤務の急増により、需要が急速に拡大していることから、2020年度は同55.6%増と大幅な伸びを見込んでいる。在宅勤務は一過性のものではなく、一定数の従業員の働き方のスタンダードになると見られ、同市場は中長期的に市場拡大が見込まれることから、CAGR(2019~2024年度)は20.3%の高い伸びを予測しているという。
ITRのシニア・アナリストである舘野 真人氏は、「リモートデスクトップは、在宅勤務者が自宅から社内システムにアクセスするための手段として、コロナ禍を機に大幅に普及が進みました。比較的低コストでの導入が可能であるとともに、端末にデータを残さずに業務を行えることから、緊急措置として導入した企業が多かったと見られます。ただし、Windowsに標準搭載されている機能でもあることから、専用製品には今後、マルチプラットフォームへの対応や管理機能の充実などの差別化が求められます」とコメントしている。