日立製作所(以下、日立)は、製造現場における製品検査や設備保全を対象に、製品の打音や設備の稼働音などの音響データから異常音を検知するソリューションを11月2日から販売することを発表した。
本ソリューションは、日立の自社工場での実績・ノウハウをもとに実用化したマイク機能搭載の無線センサーなどにより収集した音響データを、日立が開発した音響を解析するAI技術で解析し、製品不良や設備故障による異常音を検知するものだという。
製品検査と設備保全の利用用途に合わせて、2つのサービスを提供
1.音による製品検査を可能とする、IoTデータモデリングサービス - IoTデータ監視サービス
本サービスでは、まず製品の聴音検査を対象に、製品の稼働音や加工音、打音などを、音の特徴や製造現場の環境にあわせた市販の汎用マイクで収集する。次に、AI技術により、音源を分離し雑音を除去するとともに、対象となる検査音の特徴量を抽出し、音の異常度を算出・可視化することで異常音を検知することができるという。
本ソリューションは、空調の強さなどが変化する環境にも導入でき、リアルタイムに収音と判定を行うため、製品検査工程における迅速な検査結果の確認や不良音の検知が可能だとしている。
2.音による設備保全を可能とする、設備点検自動化サービス - 異音検知システム
本サービスは、設備の点検を対象に、マイク機能を搭載したレトロフィット無線センサーで設備の稼働音を収集・解析し、異常音を検知する。分析には、AI技術を適用し、正常時の音響データをAIに学習させるだけで、すぐに音の異常を可視化できるとしている。