米現地時間11月30日、Amazon Web Services(以下、AWS)は、「AWS re:Invent」にて、Amazon Elastic Compute Cloud(以下、Amazon EC2)向けのMacインスタンス(EC2 Macインスタンス)を新たに発表した。このEC2 Macインスタンスは、Mac miniコンピュータをベースに開発され、オンデマンドのmacOSワークロードを初めてAWSクラウド環境で実行できるようになるという。
EC2 Macインスタンスによって、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、Safari向けアプリの開発者は、macOS環境のプロビジョニングとアクセスを数秒以内に行うことができ、必要に応じて容量の動的なスケーリングが可能となり、AWSの従量課金制モデルを活用できるとしている。
また、Apple、Windows、Androidのクロスプラットフォームでのアプリ開発業務をAWS環境に統合することで、開発者の生産性を向上し、市場投入までの期間を短縮できる。他のAmazon EC2インスタンスと同様、EC2 Macインスタンスは、ネットワークセキュリティ用のAmazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)、拡張可能なストレージ用のAmazon Elastic Block Store(Amazon EBS)、分散型ビルドクエリ用のAmazon Elastic Load Balancing(Amazon ELB)、OSのイメージオーケストレーション用のAmazonマシーンイメージ(AMI)など、AWSの各種サービスや機能と連携できるという。
EC2 Macインスタンスは、第8世代3.2GHz(4.6GHzターボ)Core i7プロセッサー、6個の物理/12個の論理コア、32GiBメモリーを搭載したMac miniコンピュータとThunderbolt 3接続を通じ、最大10GbpsのVPCネットワーク帯域幅と18GbpsのEBSストレージ帯域幅を提供するAWS Nitro Systemの組み合わせによって、実現している。
現在、米国東部(バージニア州北部)、米国東部(オハイオ州)、米国西部(オレゴン州)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(シンガポール)の各リージョンで提供開始し、その他のリージョンは順次対応する予定だという。