クアルトリクスは日本を含む世界20か国・地域の従業員エンゲージメント調査の結果を発表した。それによると2020年は、全世界的に従業員エンゲージメントが前年より向上したという。一方で、従業員の声を聴く企業は大幅に増えたものの、フィードバックに対するアクションは不十分だったという。
2月22日におこなわれた会見では、調査発表に先立ち、同社カントリーマネージャーの熊代悟氏が、2020年度の業績のふり返りと2021年度の活動報告をおこなった。グローバルでは、導入者数は11,000社から1年間で13,000以上に伸び、コロナ禍でも堅調に成長を果たした。また日本市場でもCovid-19対策無償提供など日本語でのサポートコンテンツの拡充と国内サポート体制の強化をおこなった。さらに米国でのナスダック市場の上場についても述べ、「SAPからのスピンアウトではなく、さらに動きを早めるためのもの」と語った。
従業員エンゲージメント調査によると2019年と比較して、従業員エンゲージメントは日本でもグローバルでも上昇した。コロナ禍で働き方を大きく変化せざるを得ない中で、企業が従業員をサポートするために様々な対策を行い、従業員の連帯感が高まったことがその背景にあり、会社に対する継続勤務意向も強くなったという。
また、従業員の会社への帰属意識についての面では、多くの従業員がバラバラに働く環境におかれた中で、オープンなコミュニケーションやチームの協力関係、互いに対する敬意などによって維持・強化されることが示されたという。
さらに、2021年に注目される要素として「ウェルビーイング」をあげた。不安を抱える生活が続く中で、従業員が最高のパフォーマンスを発揮するためには、ウェルビーイングに対する配慮が不可欠で、帰属意識とも相関関係が強いことが判明したという。また従業員の声に耳を傾ける企業が大幅に増加したことが飛躍的に上昇につながったが、「アクションはまだ不十分」であると指摘する。
同社EXソリューションストラテジー ディレクター市川幹⼈氏は「2020年は、実行された多くのアクションの一つ一つが、必ずしも従業員の声に基づくものではなかったり、変化に応じて場当たり的な対応にならざるを得なかったことも、このような結果の背景となっている」と述べ、「成功の鍵を握るのはマネージャー」だと述べた。