バックアップソリューションベンダーのヴィーム・ソフトウェア(Veeam Software)は同社製品の最新版「Veeam Backup & Replication v11(以下、VBR v11)」を発表した。2月25日に開催された会見で、同社社長の古舘正清氏がグローバルおよび日本での業績を報告した他、VBR v11で追加された「継続的データ保護(CDP)」などの新機能についての紹介がおこなわれた。
製品紹介に先立ち、古舘社長は2020年のグローバルな業績が、売上成長率で昨年比22%であるとのべ、ヨーロッパ市場でのシェアの1位を確保したことを報告。「もともと仮想化バックアップツールから出発したが、昨年からクラウドに舵をきったことが功を奏した」とかたり、最新のNASバックアップやAWS、Asure、Googleなどのパブリッククラウド向けのネイティブバックアップやKubernetesのバックアップ売上が、貢献したと語った。
また事業の注力分野として「クラウド・データ・マネジメント アセスメント」をあげ、1)バックアップとリカバリ、2)クラウドモビリティ、3)監視と分析、4)オーケストレーションと自動化、5)ガバナンスとコンプライアンスの事業に注力し、2021年度はパートナーの拡充に取り組むと述べた。
新製品「Veeam Backup & Replication v11(以下、VBR v11)」の紹介は、同社システムズエンジニアリング本部 本部長 吉田慎次氏、ソリューション・アーキテクト 高橋正裕氏がおこない、以下のような機能と特長を紹介した。
包括的なデータマネジメントのための4 in 1ソリューションには、200以上の新機能と機能拡張を搭載。AWSやAzure、Google Cloud Platformのハイブリッドクラウドおよびマルチクラウド環境の複雑さに対応しながら、データのライフサイクル全体の保護を可能にする、堅牢性と柔軟性を備えている。V10との最大の違いは継続的データ保護(CDP)によるディザスタリカバリによるバックアップとレプリケーションの1日での必要回数が大幅に削減できることだという。
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継続的データ保護(CDP)によるディザスタリカバリ:CDPを内蔵することで、Tier-1にあたるVMwareワークロードのダウンタイムを排除し、データ損失を最小限に抑える。また、最適な目標復旧時点(RPOs)により、最新の状態または指定時点へ、即時の復元を実現。
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信頼性の高いランサムウェア対策:SEC 17a-4(f)、FINRA 4511(c)、およびCFTC 1.31(c)-(d)の規制に準拠した、書き換え不能の強化されたLinuxリポジトリでバックアップを安全に保つ。汎用サーバーによりハードウェアのロックインを避けながら、ランサムウェアや悪意のあるマルウェアによる暗号化や削除を防ぐ。
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クラウドへのアーカイブ機能(AWS S3 GlacierとAzure Blob Archive):Amazon S3 Glacier(Glacier Deep Archiveを含む)、Microsoft Azure Archive Storageを新たにネイティブサポート。最新のVeeam Scale-out Backup Repository Archive Tierによるエンドツーエンドのバックアップのライフサイクル管理を実現。データの長期アーカイブならびに維持にかかるコストを最大20分の1まで削減し、手動のテープ管理を置き換え可能。
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Google Cloud Storageを新たにサポート:Veeam Scale-out Backup Repository Capacity Tierに、Google Cloud Storageサポートを新たに追加。これによりクラウドのオブジェクトストレージの選択肢を拡大。
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インスタントリカバリの拡張:インスタントVMリカバリ®の先駆者として、Microsoft SQL、Oracleデータベース、NASファイル共有のインスタントリカバリ機能を搭載した。最短の目標復旧時間(RTO)を実現。
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Veeam Agent for Mac が新登場:新たにmacOS版が登場。エンドユーザーのデータバックアップを拡大。
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BaaS & DRaaSがVeeamと連携:Veeamと連携するサービスプロバイダーとの協力により、包括的なマネージドバックアップを実現。v11の価値を最大化するために必要なサービス、ソリューション、専門知識が揃える。