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コンテナ化の拡大でエッジが増加【F5 2021年版アプリケーション戦略レポート】

 F5は、「2021年版アプリケーション戦略レポート」を発表した。

 本調査は広範な業界にまたがり、グローバル規模で実施。様々な規模の企業の専門的な職種に就く約1,500名(アジア太平洋地域が大半)の回答に基づいているという。また、今日のデジタル経済が直面する厳しい課題に対応している担当者の優先事項、懸念事項、期待事項を明確にするために、IT・情報システム部門責任者のみを対象に実施された。

デジタル体験の向上を可能にするアプリケーションやアーキテクチャの継続的なモダナイズ

 本調査によると、87%の企業が従来型とモダナイズされたアーキテクチャの双方を運用しており、急速に変化するビジネス環境に適応するために旧来のレガシーシステムでは不十分なときに、アーキテクチャのモダナイゼーションが必要であると考えているという。

 また、回答者の77%が、社内向けまたは顧客向けのアプリケーションのモダナイゼーションを現在進めていると回答している。その方法として、従来型と最新型のアプリケーションの機能を組み合わせるためにAPIの活用が挙げられた。また、複数のアプリケーション・アーキテクチャを保持する企業の割合は増加しており、ベンダーがクラウドに適した代替手段を提供できる場合、SaaS型やマネージドサービス型のソリューションがアプリケーションの代替と見なされていることも、本調査で確認されたとしている。

コンテナ化の拡大にともないエッジが増加

 エッジコンピューティングは、アプリケーションで必要とされる低遅延やリアルアイム性を実現する重要な手段として認識されている。その結果、複数のクラウドに設置されている、コンテナなどのモジュール化されたアプリケーション・コンポーネントへのサポートを強化するためには、エッジの変革は必至だという。

 コンテナ化されたアプリケーションをエッジ側に配置することにより、より高速かつ効率的なデプロイに加えて、拡張性やユーザー体験の改善も可能になるとしている。これらのメリットに対する需要は今回の調査でも確認されており、企業の76%がエッジコンピューティングを導入している、または導入を積極的に計画していると回答しており、アプリケーションのパフォーマンス改善やデータ収集・解析がその主な目的となっている。

SaaSとクラウド化は加速しており、柔軟性とセキュリティのバランスを取っている

 クラウド上でデプロイされるアプリが占める割合が高まる中、回答者の68%が最低でも何らかのアプリケーションのセキュリティやデリバリ基盤技術をクラウド上に展開していると回答している。同時に、企業はSaaSやエッジソリューションの追加、オンプレミスやマルチクラウド環境の維持、アプリのモダナイゼーションなどの結果、アーキテクチャの複雑化という課題に直面しているという。これらの要素を一貫したアプリケーション戦略に組み入れるためには、管理ツール、適切なスキル、運用プロセス、解析などを環境全般に適用する手段を検討する必要があるとしている。

 また、セキュリティは引き続き重要な要素であり、攻撃者の一歩先を行くためには、多くの場合、企業が自社のオンプレミス基盤の限界を超えた性能・能力を必要としている。回答者の中でもSaaSをセキュリティ目的に利用することが戦略的トレンドのトップとして挙げられたことも、この課題を一段と浮き彫りにしたという。

ユーザーと企業など、市場の変化に対応する上でのテレメトリの重要性

 テレメトリを活用して大量のデータをビジネスのインサイトへ変えることは、適応型アプリケーションにおいて不可欠だとしている。一方、回答者の95%が、パフォーマンス、セキュリティ、可用性に関するインサイトが欠けていると考えており、現在の監視・解析ソリューションを把握したいと望んでいることを示している。

 回答者が同意しているという、不足している上位3つのインサイトとして、「アプリケーション問題の根本的な原因」「パフォーマンス低下の原因」「潜在的な攻撃の詳細」が挙げられている。また、回答者の約4分の3が、AIを駆使してテレメトリ・データをより有効活用することを目指しており、また半数以上が、変化に柔軟に対応するセキュアなアプリケーション実現のため、AIの活用を検討しているという。

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