日本CTO協会は、4月10日、「DX動向調査レポート」を発表した。本調査は協会の会員企業や国内のスタートアップから上場企業まで合計1500を超える企業を対象に実施したという。
分析レポートでは、デジタル比率(デジタル経由の売上構成比率)と成長率(年平均成長率)の関係に着目し、高成長企業の「具体的な活動」について分析、低成長企業とのギャップを可視化している。
調査レポートサマリ
高い成長率を誇る企業群では経営のデジタル化(Digital Transformation)の推進がなされ、開発者体験(Developer eXperience)を向上させる様々な取り組みが確認されたという。コロナ禍におけるDX投資の差が企業成長に影響を与えることがわかったとしている。
高成長デジタル企業の共通点
(1)総力戦でDXに取り組む
高成長な企業ほど、DXを経営課題として認識し推進している傾向が見られる。顧客との接点をWebやアプリ、電子契約などを活用しデジタル化しているという。また、データ分析とデザインを顧客への提供価値改善のために活用できていることがわかった。非デジタル高成長企業では売上の60%以上を非デジタル部門が占めるが、その業務プロセスはデジタル化が比較的進んでいることがわかるという。
(2)ソフトウェアの手綱を握る
変化の激しい時代において顧客ニーズを満たすためには、アジャイル開発体制の構築が必要。高頻度なリリース、サービス改善により継続的に価値提供することが不可欠だという。また、単にソフトウェア開発者の人数を増やすのではなく、開発生産性指標を計測し、一人一人の開発生産性を高める取り組みが重要だとしている。
(3)ソフトウェア開発組織を受け入れる
内製開発組織を組成し企業競争力とするためには、ソフトウェア開発者が創造性を発揮し、自由に働ける環境を整備することが重要だという。高成長なデジタル企業ではソフトウェア開発出身の技術役員を任命し、能力に応じた人事制度や専用の給与テーブルを持つことがわかった。また、副業やリモートワークなどの環境整備も特に進んでいるという。

調査結果抜粋
Q16.役員に占めるソフトウェア技術者およびソフトウェア技術者出身の人数

デジタル高成長企業において、ソフトウェア技術者出身の技術役員を設置している比率は90%以上を占めている。非デジタル高成長企業においても、70%以上が技術役員を設置しているという回答結果を得られた。一方、非デジタル低成長企業では、技術役員を設置していない比率が過半数を超えているという。
Q76.ソフトウェア技術者におけるリモートワーク普及率

デジタル高成長企業では、リモートワーク普及率80%以上の企業が約70%。非デジタル高成長企業でも、リモートワーク普及率60%以上の企業が、約50%を占めているという。一方、非デジタル低成長企業では、リモートワーク普及率20%未満の企業が約40%を占めている。
Q72.人事制度について

デジタル高成長企業において、ジョブ型雇用や成果主義型の人事制度を採用している比率が約70%を占めているという。また、非デジタル高成長企業においても約50%を占めている。一方、非デジタル低成長企業では、年次に応じてゆるやかな差がつく人事制度・年功序列型の人事制度を採用している比率が約70%を占めているという。
調査概要

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- 調査期間:2020年10月23日~2021年01月31日
- 回答方法:Webフォームによる回答
- 有効回答数:311件(前年調査件数の2.1倍)
- 調査協力会社・団体
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