キンドリルは、「キンドリル エージェンティックAIフレームワーク」を強化し、様々な業界における大規模なAIの導入を加速させる新たな機能を発表した。
キンドリルは、「Kyndryl Vital」による差別化された方法論を採用し、専門的なエンジニア、能力、知的財産を投入して、強化されたエージェンティックAIフレームワークの迅速な活用を推進。これにより、設計から導入までの時間を抑えたカスタマイズプロジェクトを共創し、政府、銀行、保険、製造などの業界における価値創出までの時間を短縮させるとした。
また、キンドリルはグローバルのアライアンスパートナーと連携することで、エコシステム全体で顧客がキンドリルのエージェンティックAIフレームワークを活用し、AIを効率的に業務に統合できる共同ソリューションを開発しているという。さらに、世界各国の大学とも協力し、研究者や学生の協力のもと、次世代のAI人材育成と教育も進めているとのことだ。
キンドリル エージェンティックAIフレームワークの中核は、顧客のテクノロジー基盤をエージェンティックAIのワークフローへとオーケストレーションし、安全で大規模に展開する機能。同機能は、顧客のコード、ポリシー、データ相互依存度、ビジネス目標、さらにKyndryl Bridgeからの情報を含むインサイトを抽出、分析するというキンドリルのエージェンティックインジェスション機能からの入力によって強化されているという。キンドリル エージェンティックAIフレームワークはセキュアバイデザインであり、ガーディアンコンセプトを備え、自律的かつ透明性が高く、コンプライアンスに準拠した運用ができるとしている。
この中核機能は、将来のワークフォースモデルに基づいたエージェンティックシステムを提供しているという。同モデルは、AIエージェントが組織内で果たす役割や従業員との連携方法を定義しており、キンドリルの専門家はこのモデルを活用して、人が果たすべき役割やAIエージェントと連携してビジネス成果を生み出すために必要なスキルを特定するとのことだ。
キンドリルはさらに、次のような形で様々な業界にわたり、エージェンティックAIフレームワークの導入を進めているとした。
- 保険業界の顧客と協力し、エージェンティックAIを活用したアクチュアリー(保険数理)ソリューションを構築。AIエージェントを組み込み、エンドツーエンドのインテリジェントで自動化されたワークフローを実現。AIエージェントは動的に規制報告書を生成するとともにプロアクティブに規制遵守チェックを支援し、リアルタイム分析と意思決定を推進するインサイトを提供
- 政府機関向けに、税務、許認可、移民、社会保障など複数部門にまたがるプロセスを接続、効率化するAIエージェントを開発・導入。政策や手続きに関する知識を組み込み、公務員と協力しながら、市民・企業・政府職員のニーズに先回りして対応
- 銀行業界の顧客と協力し、申請、審査、検証、外部機関との照合などを含む煩雑な手作業の顧客の新規登録手続きを合理化・自動化。全工程にインテリジェントなAIエージェントを組み込むことで、登録時間を合理化・加速させ、顧客体験全体を向上
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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